2011 Fiscal Year Research-status Report
理学療法士のハンドリング手技の工学的解明と歩行リハビリへの応用
Project/Area Number |
23700671
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡邉 峰生 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (20571368)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 歩行リハビリテーション / ハンドリング / モデリング / 制御 / 脳卒中片麻痺 |
Research Abstract |
脳卒中片麻痺患者の歩行リハビリにおいて,理学療法士により,患者を正常な歩行動作へ誘導するハンドリングという介助が行われている.本研究は,歩行リハビリの一部を機器により補助することで理学療法士の負担を軽減することを目指し,理学療法士のハンドリングの「コツ」を工学的に解明し,その知見を歩行リハビリ機器の開発へ応用することを目的としている.H23年度は,ハンドリングの「コツ」の工学的解明に向け,(1)ハンドリングの動作計測方法の決定,(2)ハンドリングの動作計測と力学的モデルの構築,の2つを行った.(1)に関しては,ハンドリングの動作は,これまでに確立された計測方法がなかったが,予備実験や理学療法士との意見交換から,理学療法士が患者に力を伝えている指先の力を計測する方法を考案した.また,ハンドリングにより加える力と患者の運動へ与える影響の関係を解明するため,患者の運動や歩行相を同期して計測する方法も合わせて考案した.また,理学療法士のハンドリングに個人差があることから,最初のステップとして,経験のある特定の理学療法士を計測対象とすることで,問題を限定した.(2)に関しては,(1)で決定した計測方法に基づき,自立歩行が可能なBr. stage IV~VIの片麻痺患者の歩行リハビリ時における,理学療法士のハンドリング動作を計測した.また,取得したデータより,ハンドリングの力学的モデルを構築した.この成果により,今後ハンドリングを模擬する機器の開発を進めることが可能になった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では,歩行訓練ロボットの機器開発までをH23年度に実施する予定であった.しかし,実際には,開発する機器の要求仕様が十分に明確化できなかったため,試作に着手できなかった.この理由としては,実際の脳卒中片麻痺患者による被験を想定したときに,機器の操作性や安全性が十分に確保されなければならないが,理学療法士らとの意見交換において,以前に開発していた試作からの変更が多く必要となることがわかり,そのための明確な要求仕様の導出が完了できなかったことによる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,構築した力学的モデルに基づいた制御則の開発,そして,脳卒中片麻痺患者の使用を想定した,歩行訓練ロボットの機器開発を行い,提案する制御則の効果検証を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H24年度は,H23年度に実施できなかった,歩行訓練ロボットの機器開発を行うため,その開発費として研究費を使用する.また,評価試験のために,連携している病院への旅費・装置等の運搬費として研究費を使用する.そして,最新の研究動向の調査や成果報告のために参加する学会への旅費として使用する.
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