2012 Fiscal Year Annual Research Report
全身振動刺激を用いた運動介入が転倒予防時の踏み出し動作に与える効果の検証
Project/Area Number |
23700674
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
越智 亮 星城大学, リハビリテーション学部, 講師 (60410891)
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Keywords | 高齢者 / 転倒予防 / 全身振動刺激 / 転倒回避 / トレーニング / 筋活動 / 筋電図 |
Research Abstract |
つまずき等が生じた後,転倒を回避するために下肢を素早く前に踏み出すステップ動作が必要となる.高齢者のステップは,若年者よりもステップ長が短い,ステップ速度が遅い,一歩で踏みとどまれず複数回のステップが出現しやすい,などの特徴を持つ.前年度の研究によって,転倒リスクを持つ高齢者が,健常高齢者と比べ,ステップ速度が遅く,また下肢筋活動パターンの比較から下肢の踏み出しの推進力を生み出す足関節底屈筋の瞬発力が低いことを明らかにしている.全身振動刺激トレーニング(Whole body vibration training;以下,WBV)の運動機能改善効果に関する報告によると,WBVは下肢の筋力トレーニングに併用すると,筋力をより効率よく向上させ,また筋収縮速度を改善させる効果があるとされる.平成24年度は,WBVが上記のステップ動作におけるステップ速度を向上させる効果があるかどうか,また動作の改善が筋活動パターンの変化に反映されるかどうか検証した.75歳以上の高齢女性で,筋力トレーニング,ストレッチ,ステップエクササイズ等のバランストレーニングに加え,WBVを行う群10名(WBV群)とバランストレーニングだけでWBVを行わない群10名(standard exercise;STE群)を対象に,3分間/日,3日/週,10週間の介入期間の前後にステップ動作の運動学的パラメータと踏み出し脚筋活動を評価した.結果,両群ともにステップ長の値が有意に大きくなったが,ステップ速度はWBV群のみ有意に増加した.ステップ時の筋活動パターンでは,WBV群では足関節底屈筋の筋活動の立ち上がりが急峻になり,ピーク活動量も増大していた.WBVを通常のバランストレーニングに加える転倒予防トレーニングは,足関節周囲の筋力や瞬発力を高め,転倒回避動作である下肢の踏み出しの機能向上に効果的に作用する可能性が示唆された.
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Research Products
(8 results)