2014 Fiscal Year Annual Research Report
実践的指導力を育む大学授業と教育実習の連関ー運動を見る力と指導言語に着目してー
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23700694
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
七澤 朱音 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10513004)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 模擬授業 / 教育実習 / 連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、スポーツ教育学会(愛媛大学)において口頭発表を行った。本学会では、①平成22年度「保健体育科教育法Ⅱ」の受講者のうち2名と平成24年度の同授業受講者のうち2名の教育実習中の指導言語の比較、②両年度の受講者(22年度:25名、24年度:76名)が記述した授業後の省察ノートの比較、以上の二点を発表した。22年度は、大学での模擬授業(球技)と教育実習で指導する運動領域(器械運動)が異なっていたが、24年度は、模擬授業・教育実習ともに同じ運動領域(器械運動)とし大学授業と教育実習の連関を図った。さらに、実際の中学生(技能下位)と熟達者の器械運動の試技映像を比較させた上で教材研究と模擬授業を行った。①では、相互作用行動の「表現のしかた」(双向性・伝達性・共感性・表現技術・言語内容)(深見,1996)を分析、②では、Text Analytics for surveysの共起分析を行った。さらに、吉崎(1987)の示す3つの「教師の知識領域」のうち、「生徒」についての知識を取り上げ考察した。 その結果、①:教師が発するメッセージが確実に子どもに伝達される「伝達性」に関して、24年度の方が多く出現していた。②:「中学生」に関して、22年度は「中学生(役)―ない」のみに強い共起性が現れたが、24年度は、「中学生-教材・段階・実感・教材づくり・できる」と共起する単語が増え、様々な知識が実際の「中学生」と関連づけられていた。続いて、吉崎の示す「生徒」についての知識の分析では、22年度は省察の8割が「教授方法」に関連する記述だったが、24年度は「教材内容」と関連する記述が出現した。どのように教えるかではなく、何をどのように教えるのかに変化したのである。成功裡な学習内容を選定する力量を育むためにも、実際の指導場面を想定し、教育実習と関連のある大学の授業を行うことは重要であると推察された。
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Research Products
(1 results)