2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700696
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鈴木 直樹 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (60375590)
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Keywords | 反省的実践 / スタンダード / 授業改善 / 模擬授業 / 教師の力量形成 / 教師教育 / 体育 |
Research Abstract |
平成25年度は,研究の最終年度にあたる年であったので,積極的に発表を位置づけ,研究の成果の検証を進めていった。 第一に,熟練教師と教員養成課程に所属する学生の反省的な思考に関し,授業場面の観察の仕方と意思決定に注目して比較をした。その結果,観察方法だけでなく,意思決定に大きな違いを見出すことができた。特に,熟練教員では,状況の善し悪しだけでなく,その背景も解釈して反省的に思考しており,その思考から予想される未来を推察しつつ,反省的に思考していることも明らかになった。 第二に,平成23年度,平成24年度の研究を手がかりとして,教師の反省的思考も含めた教師スタンダードを開発した。これは,2014年のAIESEP World Conferenceでポスター発表をし,その成果が評価され,2015年のポーランドで開催される学会に招待され,発表することとなった。また,このスタンダードは小冊子にまとめ,教師教育プログラムで活用可能なように配布した。 第三に,反省的実践を支えるスタンダードを観点として,保健体育科模擬授業演習A(小学校用)での振り返りを実施した。その際,抽出した被験者の指導における意思決定について,授業後に映像を観ながら再生刺激法によって得られたデータを比較した結果,変容を見出すことができた。また,インタビュー調査によってその変化を明らかにしたところ,スタンダードを指標として気づきを促すことができたことが推察された。今後,さらに追加調査を行い,研究発表し,研究論文としてまとめていきたい。また,現職教員の体育授業実践の振り返りにも活用した結果,インタビュー調査から有効である可能性を見出すことができたが,さらに研究に取り組み,深く考察を進めていきたい。
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