2012 Fiscal Year Research-status Report
障害者スポーツの社会的意義に基づいたマネジメントモデルの提案
Project/Area Number |
23700729
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
信太 奈美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (90433185)
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Keywords | 障害者スポーツ / 社会的意義 / マネジメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、障害者スポーツの社会的位置づけに着目し、障害者スポーツの価値とは何かを社会学的に分析する事である。初年度は、日本における「障害」「スポーツ」「障害者スポーツ」それぞれの位置づけについて調査をおこなった。 初年度が日本に着目したのに対し、今年度は諸外国における「障害」「スポーツ」「障害者スポーツ」それぞれの位置づけについて調査をおこなった。車椅子バスケットボール競技を中心に競技の組織や運営方法についてアンケート調査をおこない、一つの障害者スポーツ競技の背景にあるスポーツ政策、文化、福祉、産業技術、環境、教育の面に分けて整理し、障害者スポーツ普及システムと特徴的な社会的要因について比較した。アンケート調査に加えて、スポーツ関係の法律、スポーツ支援体制、障害者雇用状況を含めた企業支援体制,地域のスポーツクラブやスポーツ施設など障害者スポーツを取り巻く環境について具体的に聞き取りをおこなった。計画では、アメリカ、オーストラリア、イギリス、スペイン、ドイツ、イタリアの欧米6ヶ国を対象としていたが、予定していたイタリアの調査は実施できていない。イタリア以外の5ヶ国とカナダを対象として実施した。「障害者」「スポーツ」「障害者スポ-ツ」をどのように位置づけ、取り組んでいるのかについて、現在比較表を作成段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は、日本における「障害」「スポーツ」「障害者スポーツ」それぞれの位置づけについてフレームワークやアンケート調査をおこなった。今年度は諸外国における「障害」「スポーツ」「障害者スポーツ」それぞれの位置づけについて調査するため、パラリンピックの時期に合わせてアメリカ、オーストラリア、イギリス、スペイン、ドイツ、カナダに対して、(1)質問表の作成とその結果をもとに聞き取り調査、(2)組織や運営状況についての資料調査、(3)調査結果の分析を行った。(3)の分析項目は、スポーツ政策、文化、福祉、産業技術、環境、教育の6項目であり、特徴的なポイント挙げて比較表を作成する計画であったが、結果の整理が遅れているため、現在作成段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに行う計画であった海外調査のアンケート調査、インタビュー調査のまとめをおこなう。特に、スポーツ政策、文化、福祉、産業技術、環境、教育の6項目について、比較表の作成することが遅れている。最終年度の次年度は、今年度におこなった諸外国のスポーツ文化との比較を踏まえて、日本の文化に適した障害者スポーツのあり方を検討する。企業と地域が連携し、既存の施設・産官学を活用した地域スポーツマネジメントモデルを作成する。これまで行ってきた分析の総まとめとして、日本の文化に適した障害者スポーツのあり方を検討する。地域に根付いたプロリーグ(Jリーグ・BJリーグ)企業と連携し、公立大学などの教育機関が地域の情報発信機関となりる既存の施設・産官学を活用した地域スポーツマネジメントモデルを作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度実施した海外調査の調査結果のまとめが遅れているため、またそれに伴い、研究費が次年度のへの繰り越しているため、最終年度である次年度は人件費に使用して結果のまとめを進める。また、諸外国への補足調査を行うため、翻訳や通訳の補助者の雇用に使用する。また、本研究の一部を論文にして発表する。
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