2014 Fiscal Year Annual Research Report
障害者スポーツの社会的意義に基づいたマネジメントモデルの提案
Project/Area Number |
23700729
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
信太 奈美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 助教 (90433185)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | 障がい者スポーツ / マネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
諸外国に対する調査については、予定としていたスペインについての情報が充分集められなかったため、今年度は追加してスペインにおけるインターネット調査を実施した。スペインにおいて障害のあるものは16%程度(スペイン統計局より)であり、日本の6%程度を大きく上回っていた。身近に障害がある人がいるかについての質問では「いる」がスペイン54.0%に対し日本は16.2%、生活圏にスポーツを楽しむ障がい者はいるかの質問では、「スポーツをしている障がい者がいる」がスペインは45.0%に対し日本は6.8%であった。障害がある人のスポーツの関わりについての質問では、「定期的に関わっている」つながりの深い人から「メディアでたまたま見たことがある」までを関わりがあるとすると、スペインでは8割以上が関わりがあるが、日本では5割に満たない結果となった。スペインを含む今回対象とした諸外国においては、日本と同様に障がい者のスポーツ活動の資金は、寄付金や何らかの公的資金が主となっている。異なる点は、障がいがある人の存在やその活動はより身近に感じられ、スポーツに関しては日常の中に接点があり存在していることが示された。これまでの研究から、諸外国では障がい者スポーツの活動のあり方は健常者の地域スポーツのあり方に準じており、環境などの外的要因よりもスポーツにおける価値感や障がい者を受け入れる内的要因が大きいことが示唆された。ドイツでは障害の有無に関わらず地域のクラブが主体として車椅子バスケットボールが行われているのに対し、わが国では学校が主体となってスポーツ活動をすすめてきたため、年齢や教育環境において画一的な集団での断片的なスポーツ活動であった。障がい者のスポーツは多様性化と地域との共生をはかる大学と教育研究を通じて相互支援関係を構築し、地域に拠点をおくプロスポーツクラブとの連携モデルを提案する。
|