2011 Fiscal Year Research-status Report
部活動指導者を対象としたストレスマネジメントプログラムの開発と評価
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23700730
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
渋倉 崇行 新潟県立大学, 人間生活学部, 講師 (30288253)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 / 運動部活動 / 心理的ストレス / 部活動適応 / メンタルヘルス |
Research Abstract |
本研究の目的は,指導行動に影響を及ぼす要因として指導者の心理的ストレスに注目し,指導者のストレスの実態とその効果的対処を理論的,実践的に検討することを通して,部活動指導者を対象としたストレスマネジメントプログラム(Stress Management Program:以下,SMP)の開発とその評価を行うことであった.そのため,平成23年度は,部活動指導者の心理的ストレスに関わる文献的研究,および本研究を進めるにあたっての理論的枠組みの検討を行った.文献的研究では,部活動指導者,スポーツコーチ,教師等の心理的ストレスに関する国内外の文献をレビューし,部活動指導者の心理的ストレスと関連が深いこれまでの研究の成果を整理した.検討の結果,部活動指導者のストレス源として,部活動内の出来事はもとより,部活動外での活動もあることがわかった.また,部活動指導者は学校の教員であることが多いため,教員としての役割から生じる出来事もストレス源となることが指摘された.さらに,近年の特徴として,保護者と関係する内容もストレス源となることがわかった.このことについては,保護者と指導者との関係のみならず,保護者と部員間,保護者と保護者間の関係から生じるトラブルへの対処がストレス源となっている場合もあった.今後は,保護者に関わる内容に注目した研究が重要であることが考えられた.理論的枠組みの検討では,Lazarus & Folkmanの心理的ストレスモデルに基づく研究を行うことの有効性が指摘された.変数として,「ストレッサー」「認知的評価」「コーピング」「ストレス反応」を設けるが,本研究で指導行動への影響を導くとなると,指導者の「負担感」を含めた検討をすることが重要であると考えられた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定された計画に沿っておおむね研究が進められている.当初予定されていた本調査で用いる調査尺度の作成まで及んでいないが,これは本年度に実施予定であり,2年目終了時点で計画した内容は全て実施される見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
本調査で用いる調査尺度の作成を行うほか,部活動指導者の心理的ストレス過程の検討を行う.具体的には,質問紙調査を実施し,「部活動指導者の心理的ストレスモデル」の構築と「心理的ストレスに関わる指導者の類型化」を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に助成予定の研究費については,当初の計画通りに執行する.また,平成23年度に実施されなかった調査尺度の作成を行うのに,次年度使用額に割り当てられた研究費を使用する.
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