2011 Fiscal Year Research-status Report
機能的磁気共鳴画像を用いたレジスタンストレーニングの評価指標の開発
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23700745
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
若原 卓 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助教 (20508288)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 筋力トレーニング / 筋肥大 |
Research Abstract |
本研究では、機能的磁気共鳴画像(fMRI)から求められる筋の横緩和時間(T2)に着目し、レジスタンストレーニングの1セッションによる一過性のT2変化と長期的トレーニングによる筋肥大の関連を明らかにすることを目的としている。これらの関連が明らかにされれば、長期的トレーニングが筋に及ぼす効果を、1回のトレーニングセッションから予測・評価することが可能になると考えられる。平成23年度は、トレーニングの1セッションによるT2変化と長期的トレーニングによる筋肥大の関連について、協働筋(大腿四頭筋)間および協働筋(大腿四頭筋各筋)内の差に着目して実験を行った。成人男性11名を対象として、膝関節伸展のレジスタンストレーニングを12週間(週に3回)行わせた。被験者は、専用のトレーニングマシンを用いてトレーニングを実施した。トレーニングの1セッション(1日分)は、最大の80%の負荷で、8回の反復(1セット)を、5セット繰り返すものであった。第1回目のトレーニングセッションの前後に,大腿部のT2強調MRIを撮影し、大腿四頭筋各筋のT2値を計測した。また12週間のトレーニング期間前後にMRIを撮影し、大腿四頭筋各筋の筋横断面積を計測した。現在、すべてのデータを分析し終えていないが、大腿四頭筋のうちの1つである大腿直筋については、T2値の変化および筋断面積の変化率がともに近位(股に近い部位)に比べて遠位(膝に近い部位)でより大きい傾向が認められている。この結果は、長期トレーニングによる大腿直筋の筋肥大の部位差を、トレーニングの1セッションによるT2変化から予測することが可能であることを示唆する結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通り、およそ3ヶ月間のトレーニング実験を遂行したが、実験で得られた大量の磁気共鳴画像(MRI)の分析に時間がかかっているため、当初の計画よりも現時点での達成度はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
大量の画像データを効率的に分析するため、高性能のワークステーションコンピュータを購入し、分析スピードの改善を図る。昨年度の実験のデータをまとめて学会発表するとともに、学術誌に投稿するための論文を執筆する。また、今年度はレジスタンストレーニングの動作に着目し、異なるトレーニング動作による筋の横緩和時間(T2)の変化を検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
高性能のワークステーションコンピュータを購入する。今年度に実施する実験の消耗品購入および、実験補助者謝金・被験者謝金の支払いに充てる予定である。
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