2013 Fiscal Year Annual Research Report
機能的磁気共鳴画像を用いたレジスタンストレーニングの評価指標の開発
Project/Area Number |
23700745
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
若原 卓 同志社大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20508288)
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Keywords | 筋肥大 / 筋力トレーニング / 磁気共鳴画像 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、機能的磁気共鳴画像から求められる筋の横緩和時間(T2値)とレジスタンストレーニングによる筋肥大との関連を明らかにし、トレーニング効果の評価指標としてのT2値の有効性を検証することである。この目的を達成し、T2値の有効性が確認されれば、数か月のトレーニングにより筋に生じる効果(筋肥大)を、わずか1回のトレーニングセッションで求められるT2値から予測・評価することが可能になると考えられる。 平成25年度は、長期的トレーニングによる筋肥大率の個人差と1回のトレーニングセッションによるT2値変化の個人差との関連について検討した。健常な成人男性を対象として、膝関節伸展動作によるレジスタンストレーニングを12週間行わせた。第1回目のトレーニングセッションの前後にT2強調MRIを撮影し、大腿四頭筋各筋のT2値を求めた。また、12週間のトレーニング期間の前後にMRIを撮影して大腿四頭筋各筋の筋横断面積を求めた。その結果、内側広筋(大腿四頭筋のうちの1つ)において、T2値の変化と筋横断面積の増加率との間に有意な正の相関関係が認められた。一方、その他の筋(大腿直筋、外側広筋、中間広筋)では、T2値の変化と筋横断面積の増加率に有意な相関関係は認められなかった。この結果から、特定の筋においては、レジスタンストレーニングによる筋肥大率の個人差を機能的磁気共鳴画像のT2値から予測・評価できる可能性が示された。 本研究課題の研究期間全体を通して得られた成果は、いくつかの筋において、レジスタンストレーニングによる筋肥大率の筋内部位差・個人差を機能的磁気共鳴画像によるT2値の変化から予測できる可能性を示したことである。一方、筋肥大率の筋間差をT2値の変化から予測することは難しいことも示された。
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