2013 Fiscal Year Annual Research Report
オーバーヘッドスポーツにおいて肩障害の危険因子を回避する肩甲上腕関節の動き
Project/Area Number |
23700747
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
近田 彰治 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (80598227)
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Keywords | バイオメカニクス / 肩甲骨 / 肩 |
Research Abstract |
本研究の目的は,投球やテニスサーブといったオーバーヘッドスポーツにおいて肩障害を予防し,高い競技力の獲得を可能にする肩甲上腕関節の動きを実測されたデータをもとに提案することであった.大学生テニス選手18名と大学生野球投手11名が投球とテニスサーブを行っている際の胸郭,肩甲骨,上腕骨の動きの計測には電磁ゴニオメータと呼ばれる磁気式のモーションキャプチャシステムを用いた.オーバーヘッドスポーツにおける肩障害発症の危険因子は,ボールやラケットが投球・打球方向に加速する(加速期)直前に観察される上肢が最も後方に捻られた瞬間や(最大外旋時),それ以前の加速開始するめの準備期間(バックスイング局面)に存在すると考えられている.そこで我々は,1) 最大外旋時に肩甲上腕関節がどのような肢位で加速を開始するのか,2)バックスイング局面に肩甲上腕関節がどのような肢位を用いながら加速の準備動作が行われるのかについて投球とテニスサーブの比較を行うとともに,3)テニスサーブにおけるバックスイング動作の個人差に着目して詳細に分析を行ってきた.その結果,1)最大外旋時における水平外転角が投球ではテニスサーブよりも有意に大きかったことに加え,2)バックスイング局面において投球では肩甲上腕関節での挙上が水平外転位で行われるのに対して,テニスサーブでは大きく水平外転することなく挙上が行われていた.また,3)外見上の上腕の動きとしては,投球のように水平外転位で挙上するテニスサーブのパターンが存在するものの,肩甲骨がその向きを大きく変化させることで肩甲上腕関節としては投球のような水平外転位まで達しないことが明らかになった.
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