2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700749
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
下山 好充 新潟医療福祉大学, 健康科学部, 准教授 (20375364)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 水泳 / インターバルトレーニング / エネルギー供給 |
Research Abstract |
水泳のインターバル泳におけるトレーニング負荷は泳速度だけでなく、休息時間や反復距離から影響を受ける。しかし、それらに関して科学的な根拠に基づいた有益な情報が少ないため、トレーニング現場では、指導者の経験に基づいて休息時間や反復距離が決定されることが多い。そこで本研究では、高強度インターバル泳に焦点をあて、そのトレーニング負荷に影響を与えると考えられる休息時間の長さや、反復距離、泳能力のタイプなどについて、エネルギー供給機構の測定やストロークの分析などから多角的に評価し、そこで得られたデータから、トレーニングの目的や個人の特徴に応じた合理的で効果的な高強度インターバル泳のトレーニング法や評価法を開発し、トレーニングの目的に応じたインターバル泳のガイドラインを示すことを目的とした。 そのために、23年度では、インターバル泳および間欠的運動の代謝特性に関する先行研究を収集し、専門家とのディスカッションなどを含めた情報収集を行なった。さらに、本研究では、水泳時におけるインターバル運動について実験を行なうため、水中環境下で使用可能な特殊なフェイスマスクを作成し、そのフェイスマスクの妥当性について検証実験を行なった。その結果、今回作成した特殊なフェイスマスクは、サイズや装着具合など若干の問題点はあるものの、既製品のフェイスマスクとほぼ同程度の値を得ることができ、多少の改良を加えることによって本研究において使用可能であることが示された。また、このフェイスマスクを用い、中程度強度におけるインターバル泳に関して予備実験を行ない、休息時間の違いにおけるエネルイギー供給機構の貢献度について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、水泳中の呼気ガスを採取するため、水中環境下で使用可能な特殊な呼気ガス分析用フェイスマスクを作成する必要があった。フェイスマスクを作成する上で、水泳中の動きをできる限り制限しない工夫や、被験者ごと頭部の大きさによってサイズ調整できるような工夫など、試行錯誤しながら作成を行なった。また、作成したマスクの妥当性を検証する必要があったために既製品のハンスルドルフ社製マスクと比較することで検証実験を行なった。このようなことから多少の遅れが懸念されたが、予備実験も完了していることから、現在のところ、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度では、水泳のトレーニング現場で一般的に行われている高強度インターバル泳を用いてトレーニング負荷の検討を行なう。 被験者は、普段から非常に良くトレーニングを行なっている全国大会出場レベル以上(入賞経験者を含む)の大学競泳選手とする。本実験における試技は全て屋内25mプールで行なう。水泳中の呼気ガスを分析するため、測定は独自で作成した水中牽引測定装置を用いて、牽引泳によって行ない、水泳中の負荷の一定化を図りながら実施する。なお、試技については、一般的に行なわれている高強度インターバル泳の試技を考慮し、1分間で疲労困憊に至る強度(100m全力泳を想定)を用いて、その強度で数種類の休息時間、反復距離の組み合わせを決定する。また、各試技を陸上および水中からビデオカメラを用いてそれぞれ撮影を行なう。撮影された映像をコンピュータに取り込み、動作解析ソフトウエア(Flame-DIASII;DKH社製)を用いて、ストローク頻度やストロークコーディネーションなどのストローク特性を詳細に解析する。 また、研究成果を平成24年11月に開催されるAustralian Conference of Science and Medicine in Sportで発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上述した実験計画を遂行するために、実験で使用する備品や消耗品の購入が必要である。代表的な備品として、水中牽引測定装置における負荷のキャリブレーションを行なうための分散加重測定装置や、水中映像を撮影するための防水型ビデオカメラなどを購入予定である。また消耗品としては、負荷を調整するための重りや、ビデオテープ、文房具などを購入予定である。 また、実験実施にあたっては、国立スポーツ科学センター(JISS)の研究員や他大学の水泳研究者らの協力を求めるため、共同研究者との打合せの経費としても使用する。 さらに、平成24年11月に開催されるAustralian Conference of Science and Medicine in Sportで発表予定のため、その旅費にも使用予定である。 その他、人件費として、実験補助者や被験者や験者などの協力者に対する謝金としても使用する。
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