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2011 Fiscal Year Research-status Report

学校部活動が子どもにもたらす「社会性」の質的構造に関する探索的研究

Research Project

Project/Area Number 23700765
Research InstitutionTsuyama National College of Technology

Principal Investigator

山本 浩二  津山工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (50560447)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2013-03-31
Keywords社会性 / 部活動 / 高校生 / 社会性測定尺度
Research Abstract

本研究では,部活動(スポーツ活動)が生徒にもたらしている「社会性」の質的構造(ダイナミズム)を探索的に検討し,「スポーツ的社会性」の今日的体系化と今日的学校部活動運営形態に対する批判的検討が目的となる. そこで,平成23年度は,学校部活動と社会性獲得に関する因果的関連性の検討ならびに「スポーツ的社会性」構造の解明に向けた探索的研究に取り組むこととした.具体的手順としては,これまでに筆者らが先行実施してきた研究知見を元に,より信憑性に富んだ探索的社会性測定項目を作成し,高校生を対象とした質問紙調査を実施する.質問紙調査の目的は,(1)部活動と社会性獲得の因果的関連性の検討.(2)特徴的な「社会性」獲得状況がみられる学校部活動の抽出,となる.特に(2)では,次年度にかけて継続実施される「スポーツ的社会性」の質的構造理解に向けた検討作業を意味する.対象者は,岡山県下及び大分県下の高等学校の生徒(約5000名)を想定している. 質問紙調査に向け,調査用紙の作成を行うこととした.しかしながら,これまでの先行研究では,高等学校期の子どもを対象とした社会性を測定する尺度が存在せず,これまで筆者らが先行実施してきた質問紙調査を元に,新しい「社会性測定尺度(高校生版)」の作成を行った.作成手順としては,回答を探索的因子分析(主因子法・プロマックス回転)により解析し,次に解析全体において無効となるような,モデルに一致しない項目を削除するために開発されたステップワイズ因子分析を実施した.項目の選択においては,適合度指標を判断基準に,α係数および内容的妥当性の確保に配慮しつつ選択した. 以上のように,23年度は,これまで筆者らが使用してきた社会性測定尺度を用いるのではなく,あらたに「高校生版社会性測定尺度」を作成し,その尺度の信頼性・妥当性の検討作業を行なった.その成果は学会で発表した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

23年度の当初の研究計画としては,これまでに筆者らが先行実施してきた研究知見を元に,より信憑性に富んだ探索的社会性測定項目を作成し,高校生および工業高等専門学校学生を対象とした質問紙調査を実施することであった.しかしながら,スポーツ心理学を専門とする専門家の知識提供をいただき,まずは,社会性測定尺度の精選および信頼性・妥当性の検討作業を行い,これまでの先行研究には見られない,「高校生版社会性測定尺度」の作成を行うこととした. 調査項目の作成過程としては,先行研究および先行調査により選定した,58項目に対する回答を探索的因子分析(主因子法・プロマックス回転)により解析した.次に解析全体において無効となるような,モデルに一致しない項目を削除するために開発されたステップワイズ因子分析を実施した.これは,因子分析モデルに不適切な項目を統計的に同定する手法である.項目の選択においては,適合度指標を判断基準に,α係数および内容的妥当性の確保に配慮しつつ項目を選択した.適合度指標は,GFI(goodness of fit index),AGFI(adjusted goodness of fit index),CFI(comparative fit index)およびRMSEA(root mean square error of approximation)を用いた. 以上のように,これまで先行実施してきた社会性測定尺度をそのまま使用せず,いくつかの専門的な分析を施し,独自の「高校生版社会性測定尺度」の作成および妥当性・信頼性の検討作業に時間をかけたことが,当初の研究計画よりやや遅れた要因だと考える. 具体的には,約3カ月程の遅れているものの,より信憑性に富んだ社会性測定項目を作成できたことは,より信憑性の高い調査結果が得られることに繋がり,24年度以降の研究にプラスであると考える.

Strategy for Future Research Activity

23年度作成した「社会性測定尺度(高校生版)」を用いて,実際に高校生約5000名を対象に質問紙調査を実施する(6月).調査用紙を回収し,分析を行う(7・8月).その際,昨年度同様,専門家との研究打ち合わせを行い,得られた結果を十分に検討し,学会発表を行う(11月).学会発表で得られたご意見,ご批判等について再度検討する(11月以降). その後,質問紙調査結果において特徴のある高等学校およびその部活動の抽出を行い,その高等学校,部活動に焦点を当て,観察調査ならびにインタビュー調査を実施する(10月~1月).その際,特徴の見られる高等学校,部活動の特定,さらに観察調査やインタビュー調査にスムーズに移行できるよう,質問紙調査項目の工夫を行っている. 具体的には,質問紙調査項目に基本的属性および高校生版社会性測定尺度の項目に加え,顧問教師との関わり方や部内での人間関係,競技成績さらに「ドラマチック体験尺度」や「KISS-18」などの公認された尺度を並行して用いることとした.すなわち,獲得している社会性が高いもしくは低いという結果が得られたとき,何が原因でそのような結果になったのか,その要因をあらかじめ仮定し,その要因となるであろう事柄を質問紙調査項目に入れることにしている. 今後は,質問紙調査から得られた結果を元に,分析・検討作業を行い,観察調査およびインタビュー調査により,部活動が子どもにもたらす社会性の「質的構造」を明らかにしていく.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

物品(15万円)に関しては,申請書の通り,観察調査に必要な「ビデオカメラ(10万円)」と,インタビュー調査に必要な「ICレコーダー(5万円)」を購入予定である. 旅費(40万円)に関しては,申請書の通り,インタビュー調査2回,研究打ち合わせ2回,成果発表2回(11月・3月)に使用する. 謝金等(10万円)に関しては,23年度の使用計画に入っていた「質問紙配布・回収(3万円)」と「データ入力謝金(3万円)」さらに「資料提供・閲覧(2万円)」において,予定していた質問紙調査が実施できていないので,24年度へ移行させていただいた.したがって,使用計画としては,23年度使用予定であった8万円に加え,24年度の申請書通り,観察調査・インタビュー調査謝金,データ入力謝金,専門知識の提供に使用する. その他(15万円)に関しては,23年度の使用計画に入っていた「質問紙郵送費(5万円)」,「質問紙印刷費(5万円)」において,計画通りに実施できなかった質問紙調査を24年度行なうため,24年度に移行させていただいた.また,質問紙郵送費に関しては,回収率の低下等懸念されるため,実際に研究者自身が質問紙調査に出向くこととした.したがって,使用計画としては,23年度使用予定であった「質問紙印刷費(5万円)」と「質問紙郵送費(5万円)」を「質問紙調査費(5万円)」に置き換えた合計10万円と,24年度の申請書通り,文献複写費,報告書製本費に使用する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 高校生における社会性測定尺度の作成および信頼性妥当性の検討2012

    • Author(s)
      山本浩二
    • Organizer
      九州スポーツ心理学会
    • Place of Presentation
      九州大学
    • Year and Date
      2012年3月11日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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