2012 Fiscal Year Annual Research Report
中高年者の最高酸素摂取量の増加がストレス反応を低減させる
Project/Area Number |
23700772
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森川 真悠子 信州大学, 医学系研究科, 研究員 (10596068)
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Keywords | ストレス反応 / 最高酸素摂取量 / 中高年者 |
Research Abstract |
本研究では、中高年者を対象に、各個人の体力に合わせた個別運動処方「インターバル速歩」トレーニング(IWT)による体力とストレス反応との関係を解明することを目的とした。 被験者は、松本市「熟年体育大学」の参加者であるIWT群50名(男性18名、女性32名:平均年齢65±5(SD)歳))と、運動を行っていない健康な中高年者をコントロール群(CT群)52名(男性19名、女性33名:平均年齢63±8(SD)歳))とした。IWT群は約6ヶ月間のIWTを行った。両群ともに、その前後の脚筋力、体力(最高酸素摂取量)、形態(身長、体重、体脂肪率)を測定した。その際に主観申告として、うつ病自己評価尺度(CES-D)と気分プロフィール検査(POMS)の質問紙を使用して、ストレス状態を把握した。さらに、精神性ストレス負荷としてカラーワードテスト(CWT)を10分間行い、血圧、心拍数、手掌発汗量を測定し、6ヶ月前後のストレス反応を比較した。 まず、横断研究として、初期の最高酸素摂取量とCWTによる血圧、心拍数、手掌発汗量の増加量との関係を検討したところ、顕著な相関はみられなかった。IWT群について、6ヵ月後のトレーニング効果を解析した結果、脚筋力、最高酸素摂取量ともに、有意な増加を認めた(p<0.001)。そこで、最高酸素摂取量の増加と、CWTによる血圧の増加量との関係を検討したところ、両群で有意な差を認めなかったが、CT群に比べ、IWT群でCWTによる血圧の増加量が小さかった。 以上より、ストレスを低減するための運動処方として、IWTによる最高酸素摂取量を増加させることが重要であり、ストレスやうつ改善が期待できる。
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