2013 Fiscal Year Annual Research Report
運動が腸管免疫の変化に及ぼす影響~抗菌ペプチドによる検討~
Project/Area Number |
23700777
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
谷村 祐子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90551458)
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Keywords | 抗菌ペプチド / 運動 / 腸 / 腸内細菌 |
Research Abstract |
本研究は,抗菌ペプチドcryptdin (crypt)に着目し,急性及び継続的な運動が腸管免疫パラメータに及ぼす影響について明らかにすることを目的とした. C57B/6マウス(8週齢)に虚血再灌流(上腸間膜動脈を結紮(虚血)30 分,結紮解除(再灌流)の60分)を施した.小腸遠位,中間部及び近位では,遠位において有意にcrypt-4発現が高く,虚血再灌流においてその発現は低下する傾向にあった.また,C57B/6マウス(15±1カ月齢)の加齢マウスと8週齢の若齢マウスでは加齢マウスにおいてcrypt-4の発現が低いことを示した. C57B/6マウス(8週齢)に,一過性運動(トレッドミル運動,30m/min 60分)を課し,安静時,運動直後,運動3時間後,運動6時間後,運動24時間後に小腸遠位粘膜を採取し,crypt-4 mRNA 発現量を測定した.Crypt-4は,運動直後から運動3時間後まで増加して,6時間後では安静時の値に戻った.次年度に追加解析を行ったところ、小腸洗浄液IgAは運動3,6時間後に有意に増加した.炎症マーカーであるTNFaは運動3時間後で増加傾向を認めた.またTLR4,pIgR,IL10,ZO-1は運動6時間後で有意な減少を認めた.また大腸では運動後から6時間後まで増加傾向にあったが,コントロール群と比較して差はなかったため,日内変動の影響があったと思われる.Lactobacillusは運動3,6時間後で有意に増加した. 最終年度は,Balb/cマウス(6週齢)にランニングホイールを用いた自発ランニング運動を4か月間行わせた.4か月後,新鮮便を採取しT-RFLP解析による腸内細菌叢の変化を検討した.一過性運動と同様に非運動群と比較して,Lactobacillus目の増加が認められた.
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