2011 Fiscal Year Research-status Report
運動中の足首関節の回転軸変位の解明と転倒防止のための補助システムへの応用
Project/Area Number |
23700782
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
丁 明 独立行政法人理化学研究所, ロボット動作研究チーム, 特別研究員 (40585840)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | パワーアシスト / 足首関節 / パラレルリンク構造 |
Research Abstract |
本研究はパラレルリンクを用いた足首関節の運動補助アシスト装置を開発し,足の回転角度と足首関節にかかる関節トルクを正確に計測と制御ができるシステムを構築することが目標である.足首の回転角度と回転軸変位を測定し,個人対応可能な足首関節の回転モデルを作成する.個人対応モデルにより,有効な歩行の計測と制御,転倒とけがの防止,及び下肢部の筋力制御を実現する.本年度は研究の目的に従って,計測・制御システムの構築とモデルの作成に関する研究を行った.まず,足首関節の運動補助可能なアシスト装置を試作し,制御手法を提案した.装置はスチュワートプラットフォーム機構を用いて,6本のシリンダーの長さ制御により,足と足首の6自由度の移動と回転の制御が可能となった.位置制御だけではなく,システムの出力や硬さの制御もできる.被験者の運動を記録し,記録された運動を再現することができた.モデルの作成では,足首関節の運動を開発した装置により計測し,人の足首が回転する時の回転軸の変化を推定することができた.モーションキャプチャーで計測されたデータと比較することにより,高精度の計測と推定ができていることを確認できた.被験者が簡単な回転運動でも,複雑な回転軸の変化が発生することを確認した.計測されたデータは今後モデルの完成に利用することもできる.昨年度の研究結果は論文にまとめ,日本国内外の学会に投稿と発表することにより研究成果の公表と社会発信も行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究は昨年度前半,東京理科大学で行い,大学の資料や研究設備を利用することで,研究方針の作成やシステムの初期試作を順調に行うことができた.途中,当該プロジェクトの代表研究者が昨年度所属の移動により研究環境が変わって,研究が遅れた時期もあったが,新しい所属先(理化学研究所)の優れた研究設備を活用し,新たな研究環境を構築した.所属先の研究者たちと議論し,たくさんの意見をいただき,目標通りに研究を進むことを実現した.
|
Strategy for Future Research Activity |
当研究プロジェクトは残りあと一年間,当初予定通り研究を進んで行く.まず,開発した装置と制御方法を使って,被験者実験を行い,装置の有効性を実際に確認する.計測された被験者の運動により,足首関節の回転軸変化モデルから,人の関節回転モデルを作成し,その有効性を確認する.更に,提案手法を応用し,起立や歩行中の安定性を制御し,けがと転倒の防止を防ぐ制御方法を提案する.二台の装具による遠隔操作により,遠隔リハビリを実現し,関節回転軸の考慮の有用性を証明する.二年間の研究結果も今年度で整理し,国内外の関連学会や雑誌に投稿し公表する
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度所属の変化や研究内容の一部変化により,当初申請した研究費の一部(336,533円)が未使用となり,次年度に使用する予定となる.次年度はより簡単に被験者実験を行うため,装置を改良し,装着性と操作性を良くする.更に実験でデータの計測にも装置を購入する.実験結果を整理し,次年度中に学会などでの学会で発表し,他研究者からの意見をいただく.二年間の成果をまとめ,国内外の学会誌にも投稿し,研究成果を世界に発信する.
|
Research Products
(3 results)