2012 Fiscal Year Annual Research Report
特徴的動作局面の同期が二肢協調動作制御に及ぼす影響
Project/Area Number |
23700783
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
村岡 哲郎 日本大学, 経済学部, 准教授 (30398929)
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Keywords | 協調動作 |
Research Abstract |
二肢の周期的協調動作において,二肢の相対的動作方向は動作安定性に強く影響する.ただし,両手示指屈曲-伸展は例外で,相対的動作方向によらず両手示指を同時に屈曲(伸展)する動作が最も安定する.これらの統一的解釈のため,「二肢協調動作は特定の知覚的目標を指向する」という仮説が提案されている.その根拠として,協調動作においては,特定の方向(同方向または左右対称)あるいは特定の動作組合せ(特徴的動作局面(示指屈曲)の同時遂行)が指向されていることが挙げられている.しかし,後者を示す研究は示指屈曲-伸展を対象とした研究しかない.そこで本研究では,上肢6動作を対象に,特徴的動作局面を持つ動作・持たない動作を明らかにする実験を平成23年度に行った.その結果,先行研究で示された示指屈曲に加え,橈尺関節(前腕)回内が特徴的動作局面であることが明らかとなった.次に,上記研究により特徴的動作局面を持たないことが示された手首撓屈―尺屈または特徴的動作局面を持つことが示された橈尺関節(前腕)回内―回外の両上肢協調動作を行った時,動作と方向のいずれが指向されるかを明らかにする実験を平成24年度に行った.その結果,特徴的動作局面を持たない動作では特定の方向を,特徴的動作局面を持つ動作では特定の動作組合せを指向することが示された.次に,特徴的動作局面を持つ示指屈曲―伸展と,同じく特徴的動作局面を持つ橈尺関節(前腕)回内―回外または特徴的動作局面を持たない手首撓屈―尺屈で協調動作を行った時,動作安定性が何によって決まるかを明らかにする実験を平成24年度に行った.その結果,特徴的動作局面を持つ動作同士の時には特徴的動作局面の同時遂行が指向され,特徴的動作局面を持つ動作と持たない動作の時には特定の方向が指向されることが示された.以上の研究から,「二肢協調動作は特定の知覚的目標を指向する」という仮説が支持された.
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