2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700788
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
堀田 典生 中部大学, 生命健康科学部, 講師 (60548577)
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Keywords | 血圧 / レジスタンストレーニング / 血流制限 / 運動昇圧応答 / 動脈コンプライアンス / 血管内皮機能 / FMD / CAVI |
Research Abstract |
血流制限トレーニングとは,体肢の付け根をカフなどで加圧し,血流を制限しながらレジスタンス運動を行うことである.その優れた点は,低強度の負荷でも筋肥大や筋機能の改善を示す点である.しかし,血流制限トレーニングのように代謝産物を留め,強い酸性に筋を暴露させながら行う運動では,逆に運動昇圧応答が強まり,血圧などの循環応答が過度に高くなると考えられた. 我々はこれまでに,血流制限トレーニングと通常のそれでは,前者の方が血圧の上昇が高いこと,また,有酸素運動と血流制限を組み合わせた場合も血圧の上昇が血流制限しない場合に比べて高くなることを報告した.本年は,過度な血圧応答を示す血流制限トレーニングの継続が,動脈コンプライアンス(伸展性)と血管機能に及ぼす影響を検討した. 20人の被検者はランダムに対照群(n=8)と血流制限群(n=12)に振り分けられた.週3日の頻度にて4週間,両腕アームカール運動を実施した.強度,回数,インターバルは,両群の筋力増強の幅が同じになるようにした.血流制限群のみ上腕の付け根を加圧しながら実施した. 最大筋力,最大挙上重量,上腕屈筋群の厚さ,上腕周囲長は増加し,両群間におけるそれらの変化の仕方に有意な交互作用は認められなかった.動脈コンプライアンスは,血圧-脈波検査により,動脈硬化指数を算出した.そのトレーニング前後における変化の仕方に有意な交互作用が認められた.そして,対照群は有意に低下し,血流制限群は増加傾向であった(P=0.076).また,血管内皮機能の評価のために血流依存性血管拡張反応(FMD)検査を実施した.両群ともに有意な差は認められなかった. 本研究より,血流制限トレーニングにより動脈コンプライアンスは低下し得るという負の影響が示唆された.
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