2011 Fiscal Year Research-status Report
学生の健康支援におけるプレゼンティーイズムの基礎的概念の構築
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23700799
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山村 周平 大阪大学, 保健センター, 助教 (60594132)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 学校保健 / メンタルヘルス |
Research Abstract |
学生におけるプレゼンティーイズムの概念は‘出席しているが、心身の不調によりパフォーマンスが低下した状態’を表す。本研究は、精神的不調を訴え保健センターを受診した学生を対象に、認知機能課題を施行し同時に近赤外分光法(NIRS)による脳血流測定をおこない、学生のプレゼンティーイズムの概念を客観的に評価・検討することを目的としている。平成23年度は予備的検討として、先行研究で作成した学生版プレゼンティーイズム尺度、ベック抑うつ尺度(BDI-II)、状態・特性不安尺度(STAI)による質問紙調査を、抑うつ気分を主とする精神的不調者1名(BDI=36、状態不安=65、特性不安=56)と健常者1名を対象に行った。精神的不調者は、プレゼンティーイズムの程度を表すWork Impairment Scoreの値が高かった。引き続き前頭葉機能課題(言語流暢性課題、Trail Making Test)を施行しNIRSによる前頭葉の酸素化ヘモグロビン濃度の変化を測定した。その結果、精神的不調者は健常者と比較して、賦活課題に対する前頭葉の酸素化ヘモグロビン濃度変化量が小さかった。プレゼンティーイズムにある精神的不調者の前頭葉機能低下が客観的指標であるNIRSにより確認されたことは、プレゼンティーイズムが学生の状態像の把握にとって有用な指標となることを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、実験に関わる機材をいくつかの候補から選定し、文献収集や試行を重ねて実験プロトコールを検討し実践的なものへ改訂した。その上で少人数を対象に予備的に実験を行い、本実験の施行にあたって支障がないことを確認した。同時に得られた結果から、プレゼンティーイズムの客観的評価に有効な実験であることが確認された。測定は次年度になるが、健常被験者のリクルートもすすんでいる。これらことから、概ね順調に研究をすすめることができているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
精神的不調のある被験者のリクルート、測定における注意点に関して、方法の妥当性を検討し見直しを行う。その上でサンプル数を拡大し速やかに本実験の実施に着手し、得られた知見をより確実なものとする。プレゼンティーイズムの程度と、前頭葉機能課題および課題中のNIRSによる前頭葉血流の変化量の関係を統計的に検討する。このことにより、学生のプレゼンティーイズムの構成概念妥当性を評価することが可能となり、今後、学生の心身の不調の病態評価、治療効果予測に応用できることをめざす。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に当初予定していたNIRS装置のレンタルでの測定を取りやめたため、平成23年度の研究費の執行額が異なり未使用額が生じた。研究計画の概要に変更は無く、平成24年度に携帯用NIRS装置が納入され当初の予定通りに研究の実施をすすめる。
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