2011 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の閉じこもりやうつを強化する家族特性の解明:支援策検討のための地域縦断研究
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23700802
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
山崎 幸子 福島県立医科大学, 医学部, 学内講師 (10550840)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 閉じこもり / 介護予防 / 家族関係 / 心身の健康 / 高齢者保健 |
Research Abstract |
高齢者本人に加え、従来全く検討されてこなかった家族に対する縦断研究により、閉じこもりやうつを強化する家族特性を解明し、「家族の在り方」といった新しい視点に基づく、要介護ハイリスク改善のための、家族に対する支援プログラムの検討を目的とした。本年度は以下の2点を実施した。1.外出支援を主とした家族特性に関する尺度作成のための項目収集(予備調査) 対象:要介護ハイリスク者の家族計10人、方法:訪問による半構造化面接、内容:閉じこもりやうつのリスクに関する認識、交流頻度・内容等について尋ねた。分析:インタビュー内容を整理し、家族の認識する閉じこもりやうつのリスク、高齢者本人に対する外出の支援を主とした関わり方に関する行動を抽出・整理し、概念構成を確認した。2.尺度開発および関連要因検討のための地域高齢者とその家族に対する郵送調査 対象:要介護認定を受けていない65歳以上高齢者とその家族 計1000組、方法:郵送法による質問紙調査、内容:<高齢者の家族に対して> 基本属性、予備調査による尺度試案、身体・心理・社会環境的要因等。<高齢者本人に対して> 基本属性、外出頻度、うつの他、身体・心理・社会環境要因等。 上記のデータを元に、家族特性尺度の開発開発(研究1)、家族特性尺度と閉じこもりやうつの関連要因(研究2)を実施した。【研究1】項目の作成:予備調査を元に、家族特性尺度の項目(40項目程度を想定)を構成、分析する調査内容:上記の家族に対する調査内容、高齢者本人に対するソーシャル・サポート、分析:信頼性と妥当性を検討し尺度を作成した。【研究2】分析する調査内容:上記研究1で作成した尺度、および、高齢者本人に対する調査内容 分析:家族特性尺度得点と、閉じこもり及びうつとの関連について、多変量解析を行った。上記については、来年度の学会発表や論文にまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東日本大震災の影響により、当初予定していた福島県内での大規模調査の実施が困難となったため、急遽調査対象地域を変更した。そのたため、計画当初の予定より調査対象人数が減少したものの(自治体との共同事業とならなかったため個人情報については住民基本台帳の転記を実施した。そのため、転記代として予定よりも人件費がかかりった)、計画通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度においては、当初の計画通り、本年度の対象者に対する追跡調査を12月頃に実施予定である。調査完了後、速やかに得られた成果から支援プログラム試案を考案する。滞りなく研究が進むよう、本年度末より調査対象地域との打ち合わせを重ねている。有用な支援プログラム確立に向け、本年度の調査データに加え、次年度の追跡調査結果により、研究協力者から助言などを得るための体制を整えている。なお、収支状況報告書における次年度使用額が21479円であるが、これについては本年度3月に支払が発生したものの、会計計上とずれがあったために生じたものであり、現段階において既に支払は完了している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査対象地域、および、研究協力者との打ち合わせに加え学会参加(日本心理学会)のための旅費(福島-東京間の往復6回)、追跡調査に係る通信費(往復郵送代1000人分)、人件費(研究補助アルバイト代)に使用する予定である。併せて、得られたデータのデータ入力委託費、論文作成のための英文校正費などに使用する。
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