2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳機能イメージングを用いた気質・性格とストレス反応に関する研究
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23700805
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山野 恵美 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (40587812)
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Keywords | ストレス / 脳磁図 / 個人差 / 気質 |
Research Abstract |
本研究は、時間分解能に優れる脳磁図計(MEG;magnetoencephalography)を用いて、気質・性格が精神的ストレス負荷に対する生体反応の個人差に、どのように影響するか、脳機能レベルで評価することを目的とした。神経伝達物質との関連が報告されている「損害回避特性」などを中心として、気質・性格によって、精神的ストレス負荷に対する生体応答パターンの類別化が可能であるかを検証した。また、MEG計測データに加えて心電図、唾液中コルチゾール、各種質問紙データといった生理学・生化学・行動学的データとの統合的評価も行った。 対象者のうち、気質・性格質問票において非常に高い新奇性追求(好奇心旺盛)かつ低い損害回避(心配性)特性が認められた群(G1)では、ストレス画像呈示後、呈示前と比較してβ帯域の事象関連脱同期が後頭部に確認された。その程度は、上記の特性をもたない群(G2)より、強く観察された。非ストレス課題では、2群において、このような変化は認められなかった。また、G1群でのみ、ストレス課題前と比較して、課題後、開眼時における交感神経系の活動低下、怒り・ストレスなどの主観評価の低下が認められた。 これらの結果より、精神的ストレスに対する脳機能活動をはじめとする生体応答と気質・性格が関連していることが示された。
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