2012 Fiscal Year Research-status Report
心理特性・動機の程度に基づく心身の健康増進を目指した行動変容プログラムの策定
Project/Area Number |
23700807
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
齋藤 瞳 東京福祉大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40551817)
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Keywords | 健康増進 / 行動変容 / 心理特性 / 自我状態 / 動機 / ストレス / 生活習慣 / IT |
Research Abstract |
平成24年度は,現在対応が急務となっている生活習慣病やストレス性疾患の予防プログラムを策定し,大学生を対象に施行した.その意義として,現在中心に研究が進められている中・高年を対象とするだけではなく,大学生にも焦点をあてることで,早期から自らの健康への意識改革を促し年齢を重ねてから生活習慣病およびストレス性疾患にならないよう,より予防に焦点をあてたプログラムの検証が可能になると考えられる. プログラムの策定は,既存の特定健診メタボリックシンドローム対策の一環として作成されたIT 版健康増進プログラムであるPersonal Health Record(以下,PHR)を土台として行った.具体的には,「職業性ストレス簡易調査票」を大学生版に改定した「ストレス指標」,認知の歪みを測定する「考え方のくせ尺度」,PHRの問診項目を土台に作成した食事・運動・睡眠に関する「生活習慣問診票」,自我状態(心理特性)を把握するための質問紙である「自己成長エゴグラム」の4種類の問診を策定した.また,行動目標は上記4種類の問診の結果から個々人に即した項目が複数提示されるようプロトコルを作成した.そして,最終的な目標の決定は,提示された項目の中から利用者が主体的に行うこととした. 以上のように策定したプログラムを,平成24年10月から平成25年3月の6か月間を通して大学生を対象に実施した.コントロール群として,ITを使用しない群を設け,同様の問診項目を使用し個々人に即した行動目標を提示するプロトコルを用いて類似のプログラムを施行した.プログラムの効果検証は,平成25年度にデータ解析を行う.また,プログラムを施行した大学生に構造化面接を行い,施行プログラムについての意見を聴収し,心身の健康増進を目指したより効果的なプログラムの策定を目的としプロトコルの修正を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度プログラム策定が順調に進んだことから,プログラムを実施する土台がおおむね整っていたことが一因と考えられる.また,プログラム参加者の募集に関しても,研究者の所属している大学において協力を募ることが出来たことも,順調に研究が進んだ要因の1つと考えられる. ただ,プログラムの内容および施行人数は当初の計画と隔たりがあるため,今後補っていかなければならない点と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は,平成24年度に収集したデータの分析およびプログラムを施行した大学生を対象に構造化面接を行い,プロトコルの修正を中心に研究を進める.また,プログラムを実施した成果に関しては平成25年8月に共同開催される2013 International Transactional Analysis Association International conferenceと日本交流分析学会第38回学術大会で発表する予定である.そして,専門学会からの評価を受け研究をさらに推進していくとともに,その研究成果を論文としてまとめることを目指す. 最終年度である平成26年度には,平成25年度に改定したプログラムを大学生を対象に再度施行する.そして,個々人の心理特性と動機の程度に基づく心身の健康増進を目指した行動変容プログラムの効果検証を行い,その成果をまとめる予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度はプロトコルの見直しなど,プログラム改定のための経費が主に必要となる.具体的には,改定したプログラムをITシステムに導入する際,データ管理なども依頼しているシステム所有会社への謝金が必要となる.また,国内外での研究打ち合わせ旅費や会議費も必要経費である. さらに,前年度に引き続き研究における情報収集の一環としての書籍購入,記録媒体等の周辺機器,サーバー関連消耗品は必要不可欠である.また,研究を推進していくために継続して研究成果を発信することも重要と考えられ,それに伴う学会における発表旅費,外国論文校閲等の機関誌への掲載に関わる費用も必要と考える.
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