2013 Fiscal Year Research-status Report
心理特性・動機の程度に基づく心身の健康増進を目指した行動変容プログラムの策定
Project/Area Number |
23700807
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
齋藤 瞳 東京福祉大学, 心理学部, 講師 (40551817)
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Keywords | 健康増進 / 行動変容 / 心理特性 / 自我状態 / 動機 / ストレス / 生活習慣 / IT |
Research Abstract |
平成25年度は,平成24年度に実施した「心身の健康増進を目指した行動変容プログラム」の効果検証を行った.また,プログラムを施行した大学生を対象に行った構造化面接の結果を分析し,心身の健康増進を目指したより効果的なプログラムへの改定を行った. 具体的には,本プログラムの土台となっているPersonal Health Recordは,主にパソコンと携帯電話を用いたプログラムとなっていたが,大学生の約9割がスマートフォンを使用しており,パソコンよりスマートフォンの使用時間が長いことなど,利便性を考慮し,スマートフォン向けのアプリケーションとして改変を行った.その際には,「ストレス指標」,「考え方のくせ尺度」,「生活習慣問診票」,「自己成長エゴグラム」の4種類の問診への回答から,結果のフィードバック,目標設定,達成度の入力,日々の生活習慣の記録など全ての作業をスマートフォンで行うプロトコルとした. また,個々人の心理特性・動機の程度に即したプログラムの策定を目指しグループコミュニティの構築による相互支援システムを導入し,利用者同士の交流の場を設けた.さらに,モチベーションの維持を目的としたポイント制度や,管理者から利用者への定期的あるいは必要に応じたメールによる介入システムの導入も行った. 以上のように改定したプログラムを平成25年10月から平成26年2月の5か月間,大学生を対象に実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラム内容に関して,IT環境の目まぐるしい変化に応じた改定が必要と考えられ,当初の予定であったパソコンと携帯電話の利用を主としたプログラムから,スマートフォン用向けアプリケーションとして改変を行った.これらの点で,当初予定していたプログラム内容とは多少隔たりが生じているといえる.また,プログラムの効果を実証する上で,プログラム施行人数をさらに増やしていくことも今後の課題であると考える. ただ全体を通しては,初年度より一貫して研究協力者と連携しプログラムの策定や改定を滞りなく進めている点で,達成度は良好と考えられる.また,プログラムの施行に関しても,研究者の所属している大学にて協力を募ることが出来たことも,おおむね順調に研究が進展している一因といえる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度から平成25年度にかけ,プログラムの策定・実施・改定を行ったが,最終年度である平成26年度には,平成25年度に改変・実施したプログラムの効果検証を行うともに,プログラムを施行した大学生を対象に構造化面接を実施し結果を分析する.そして,心身の健康増進を目指したより効果的なプログラムへの最終改定を行う.また,プログラム実施対象者を増やし,本研究の成果を検証する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プログラム施行後のデータ収集,処理,解析に関して,当初は臨床心理士に研究補助を依頼し謝金を支払う予定であった.しかし,プログラム開発担当者と協議した結果,プログラム開発,データ収集,処理まで一括して請け負い,プログラム開発費として支払いをすることに決定した.そのため,データの管理も合わせて,その必要経費は25年度と26年度に分割して支払うこととなり,次年度使用額が生じた. 平成25年度に策定したプログラムの改定が必要となり,その費用と共にデータ収集や管理費として,平成25年度に引き続きプログラム開発業者への支払が必要となる.また,当初の計画にあった研究補助の人件費・謝金に関しては,最終年度にあたる平成26年度にデータの解析や成果の整理を行う際に臨床心理士に協力を依頼する予定であり,必要経費となる.
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