2012 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者が「とっさの一歩」で転倒を予防するための体操試案
Project/Area Number |
23700808
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Research Institution | Surugadai University |
Principal Investigator |
檜皮 貴子 駿河台大学, 現代文化学部, 講師 (50463948)
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Keywords | 高齢者 / 転倒予防 / 体操 / 転倒回避動作 / 運動構造の類縁性 / GUT体操 / バランスボード / アンバランス体験 |
Research Abstract |
本研究では、転倒回避動作との類縁性に考慮した「とっさの一歩」を引き出すための体操を考案し、その効果を明らかにすることで、高齢者を対象とした転倒予防体操の指導実践上の課題と可能性を示すことを目的とした。そのため、(1)転倒回避動作との類縁性に考慮した転倒予防体操を考案する。(2)考案した転倒予防体操の指導前後において、代表的な各種バランス能力測定(開眼片足立ち、FR、タンデム歩行、Timed up & goテスト)の実施に加え、支持基底面から身体重心を外す動作を含む新たな測定方法を試案・実施し、各測定値の変化を見ることとした。 平成23年度に、バランスボードを用いた転倒予防体操「GUT(GUragura Tonton)体操」と新たな測定項目の「Functional Reach and Forward Stepping Follow-up(FR-FS)」を考案したため、平成24年度ではその実践を試みた。 地域在住の女性高齢者18名(72.6±4.0歳)を対象に約5ヶ月間(全15回)GUT体操を指導し、その前後に各種バランス能力測定とFR-FS測定を行った。その結果、開眼片足立ちとFR、タンデム歩行において実施後に測定値が向上し、有意な差が認めらた。このことより、足元をぐらぐらさせてから足を踏み出す動作を繰り返し実施したGUT体操の一定効果が示されたと考えられる。新たに試案したFR-FSでは、有意な差は認められなかった。しかしながら、FRの動作に踏み出し動作を加えたFR-FSの測定値の方が、FRよりも高い値を示した。そのため、前方への新たな支持基底面を確保する動作を含むFR-FSは、動的バランス能力を測定する方法の一つとして、可能性が示唆されたと言える。 以上より、高齢者を対象とした転倒予防運動の取り組みにおいては、転倒動作からその予防方法を探る重要性が確認できたものと考える。
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Research Products
(5 results)