2011 Fiscal Year Research-status Report
農作業が盛んな超高齢離島を元気にするプログラムの開発:運動介入を通して
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23700813
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Research Institution | St. Catherine University |
Principal Investigator |
丸山 裕司 聖カタリナ大学, その他部局等, 講師 (70587930)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 離島 / 高齢者 / 日常生活状況 / 運動教室 / 市街地 / 介護予防 / 運動プログラム |
Research Abstract |
本研究の目的は、農作業が盛んな超高齢化の離島で自立した生活を送る高齢者を対象に健康寿命の延長を目的とした運動教室を開催し、教室前後での体力及び日常生活状況について調査を実施した。また、市街地に居住する高齢者の体力、日常生活状況との比較研究を実施した。 離島で、平成23年9月から12月までの3ヶ月間、週1回の頻度で運動教室を開催した。また、教室終了3ヶ月後の平成24年3月にフォローアップとして再度、離島で活動状況の調査を実施した。離島在住の20名の女性が、体力テスト、アンケート調査および運動教室に参加することに同意した(運動群)。また、地方都市在住の23名の女性が、運動教室には参加せずに測定及び調査のみに参加することに同意した(対照群)。被験者の平均年齢は、運動群70.6±6.44歳、対照群73.1±5.64歳であった。 結果、運動群は1日の平均歩数は統計学的に有意に多いものであった。また、体力テストは、運動群は教室前後で上体起こし、開眼片足立ち、6分間歩行が統計学的有意に向上され、教室終了後の第2回目の体力テストにおいては、対照群と比較して全項目統計的有意な差を示した。また、アンケート調査では、POMSおよびSF36v2において対照群は統計的有意な改善を示した項目はなかったが、運動群は複数項目に統計的有意な改善が示された。以上のことから、本研究の運動教室内容は離島在住の自立した高齢者の心身の改善に有効であることが示唆された。 本研究対象の離島は、農作業で忙しい地域であり、高齢期でも習い事などをする習慣がない。また、交通の不便から運動教室に通う機会などはほとんどない。今回の運動教室参加者は、教室終了後も自主グループを作り、健康づくりのために教室で行ったことを継続していく予定となっている。このような自主的な活動は、コミュニティを形成するうえでも有意義であったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の予定通り、研究計画を実施することができた。また、運動教室の終了時のアンケートでは、教室全体の評価が非常に高かった。教室終了後も参加者が自主グループを作成しようという動きがあり、本研究の実施そのものが地域活動を活性化することができたと考える。対照群の人数もある程度確保することができたため、「おおむね順調に進展している」の自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度実施した研究データの分析を行う。離島には農作業で忙しい人にも行えるような運動プログラムを考案し、普及を目指す。また、運動群及び対照群の得られた結果を分析、検討して、成果を学術大会や学術雑誌での発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
離島在住高齢者を対象とした運動プログラムの提供時の用紙印刷代や離島への往復時の交通費などに使用する計画である。また、研究成果を学術大会や学術雑誌で発表するため、学術大会参加費、交通費、学術雑誌投稿料などに使用する計画である。
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Research Products
(1 results)