2012 Fiscal Year Research-status Report
縦断的データを利用した幼児の浮き趾の実態分析および浮き趾に関連する要因の検討
Project/Area Number |
23700814
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
松田 繁樹 岐阜聖徳学園大学短期大学部, その他部局等, 講師 (60405058)
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Keywords | 浮き趾 / 幼児 / 接地足蹠面 / 体力 / 足圧荷重 / 年齢差 / 左右足差 / 個人差 |
Research Abstract |
本研究の目的は,縦断的データを利用し,幼児の浮き趾の実態および浮き趾と体力の関係を分析するとともに,浮き趾に関連する要因(運動量,重心位置,および姿勢)を明らかにすることである. 平成24年度は,幼児約800名を対象に体格,体力,および接地足蹠面の測定を行った.また,平成23年度以前に測定した前後足圧荷重割合と接地足蹠面のデータを分析し,①「前後足圧荷重割合の年齢差,個人差および左右足差」と②「浮き趾と踵荷重(前後足圧荷重割合)の関係」について,論文を作成した.①については,②を検討するための前段階に必要な分析である. 論文①では,3.5歳から6.5歳までの幼児764名(男児364名,女児400名)を対象に,幼児の前後足圧荷重割合の年齢差,個人差および左右足差を明らかにした.前後足圧荷重割合の測定にはフットビュークリニックを用い,被験者は同測定器上で10秒間直立姿勢を保持した.足長の中央で前後を区切り,前後足圧荷重割合を算出した.10秒間の平均値が分析に利用された.その結果,幼児の足圧荷重割合は加齢に伴い,前部の割合が増加すること,前後足圧荷重割合の個人差は大きいこと,個人差は加齢とともに縮小する傾向にあること,前部足圧荷重割合は右足が左足より若干大きいことが明らかにされた. 論文②では,4歳から6歳までの幼児691名(男児328名,女児363名)を対象に,幼児の浮き趾と踵荷重の関係を明らかにした.前後足圧荷重割合の測定方法は論文①と同様である.ピドスコープにより接地足蹠画像を撮影し,浮き趾を分析した.その結果,後部足圧荷重割合は,左足では浮き趾2本以上群が無し群より,右足では浮き趾2本以上群が1本群および無し群より有意に大きかった.浮き趾を2本以上有する幼児は浮き趾の無い幼児より踵荷重傾向であるとの結論が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の計画は,研究協力園の拡大,測定の実施,および論文化であった.測定を実施した幼稚園および保育所は,平成23年度には2園であったが,平成24年度には7園に拡大できた.測定も計画通り実施されており,平成24年度も幼児約800名を対象に体格,体力,および接地足蹠面の測定が行われた.順次データ解析および論文化が進められ,平成23年度には論文1編(掲載済み),平成24年度には論文2編を執筆した(1編は掲載予定,1編は投稿中).全体として,おおむね順調に研究が進められていると判断される.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,データ解析,学会発表,論文作成を主に進める.接地足蹠面および体力のデータは3年間の縦断的データが揃っているので,縦断的データを利用した浮き趾の実態分析,および浮き趾と体力の関係について,論文化を進める予定である.また,平成25年度は,接地足蹠面,前後足圧荷重割合,および姿勢の測定を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
接地足蹠面の測定に利用していたピドスコープが古い機種のもので,画像が鮮明に映らなくなってきているため,機能が向上したピドスコープを購入する予定である.日本体育学会,日本体力医学会,日本教育医学会,日本発育発達学会において発表するための旅費が必要となる.その他として,文献取り寄せ費用,研究成果投稿費用,英文校正費用が必要になる.
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