2011 Fiscal Year Research-status Report
高血圧性疾患の重症化に関わる遺伝要因の解明とその成果に基づく栄養指導法の構築
Project/Area Number |
23700815
|
Research Institution | Mukogawa Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
坂野 麻里子 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 准教授 (90400530)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 高血圧 / 遺伝子多型 / 24時間血圧 / 血圧日内変動 / 慢性腎臓病 |
Research Abstract |
高血圧患者において、血圧日内変動の異常は脳卒中をはじめとする心血管疾患発症の独立したリスク要因となる。また、高血圧では慢性腎臓病がしばしば合併し、心血管疾患リスクが亢進する。本研究では、日本人高血圧患者の血圧変動異常および慢性腎臓病併発に関わる遺伝要因を解明することで、心血管疾患リスクの高い患者を早期に発見し、適切な栄養指導や投薬を実践する上での基盤を構築することを目的としている。本年度は、日本人高血圧患者を対象として、当初より予定していた12遺伝子に加えて、計32遺伝子のDNA塩基配列を解析し、マイナーアレル頻度5%以上の候補SNPを合計90個収集することに成功した。また候補SNPの収集が順調に進んだため、次年度に予定していた全対象者の遺伝子型判定を前倒しで開始している。対象者の24時間血圧測定、血清クレアチニン濃度測定も順調に進んでおり、次年度以降、血圧日内変動異常および慢性腎臓病症状と候補SNP遺伝子型との関連を解析する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定の12遺伝子だけでなく、合計32遺伝子について遺伝子解析を進め、90個の候補SNPを収集することに成功したため。また、2年目に予定していた遺伝子型判定解析を前倒しで開始したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
日本人高血圧患者の血圧日内変動異常に関連する候補SNP遺伝子型解析を進める。また、高血圧患者の推算糸球体濾過量(eGFR)に基づいて慢性腎臓病の有無を判定し、慢性腎臓病併発に関わる候補SNP遺伝子型解析を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
DNA塩基配列解析が予定より順調に進んだため。初年度に繰り越し金が生じた。一方、遺伝子型判定解析を行う候補SNPを当初想定した以上に収集できたため、次年度経費に加えて初年度繰り越し金をこの解析用の消耗品費に充てる。また、国内外研究者との意見交換や本研究の成果発表に必要な経費を旅費およびその他の費目として使用する。
|