2013 Fiscal Year Research-status Report
EMAによる日常生活下での多面的調査を用いた肥満成人における食行動関連要因の同定
Project/Area Number |
23700818
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Research Institution | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
Principal Investigator |
菊地 裕絵 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 心身医学研究部, 室長 (10581788)
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Keywords | ストレスマネジメント / EMA / 肥満 |
Research Abstract |
本研究は、日常生活下での自覚症状などの記録方法であるecological momentary assessmentと、同じく日常生活下で記録・評価の可能な携帯情報端末を用いた食事記録評価システムを中心に用いて、肥満成人の食行動関連要因についてこれまでには把握が困難であった生態学的妥当性の高いデータを用いて明らかにすることを目指すものである。 今年度は、昨年度の予備実施の結果を受け、調査を実施した。この際、被験者募集については、病院での診療状況の変化により通院患者からの募集が困難となったため、他の医療機関への協力依頼や、Web以外のメディアへの被験者募集の掲載、近隣公共施設へのチラシの掲示などによるコミュニティサンプルからの募集を順次実施した。平成25年末までに肥満群3名、普通体重群4名の同意を得て調査を実施した。 マルチレベル解析による、毎食の摂取エネルギー量と食直前の心理的因子、環境要因との関連についての予備的解析で、食直前のストレスおよび抑うつのそれぞれと摂取エネルギー量の関連、外食時と非外食時での摂取エネルギー量の差が示された。また、多変量のモデルで、ストレスおよび抑うつのいずれも環境要因と独立して摂取エネルギー量に関連することが示された。特にストレスは環境要因(外食か否か)との交互作用も有意であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属する機関内の病院での診療状況の変化により病院での被験者募集は困難になったが、その後ほかの医療機関への協力依頼や、Web以外のメディアへの被験者募集の掲載、近隣公共施設へのチラシの掲示などによるコミュニティサンプルからの募集を順次実施し、調査が進展している。また、並行して予備解析を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き被験者募集と調査を実施し、単変量モデルから多変量モデルへ、また被験者レベル変数を含む解析へと解析を行い、成果を発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
被験者募集についてweb掲載広告および所属する機関内の病院の通院患者を対象とした募集により行う予定であったが、病院での診療状況の変化により通院患者からの募集が困難となり、調査実施にやや遅れが生じた。 被験者募集については他の医療機関への協力依頼や、web以外のメディアへの募集掲載等をすでに進めており順調に調査が進行している。未使用額については、次年度も調査を実施することから調査に要する消耗品費および被験者謝金として使用するとともに、解析成果発表のための旅費や論文英文校正費、掲載費用として使用する予定である。
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