2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700823
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
黒川 修行 宮城教育大学, 教育学部, 講師 (30431505)
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Keywords | 近隣身体活動環境 / 子ども / 身体活動量 / 安全 |
Research Abstract |
身体活動実施の決定要因に関する研究は,社会的要因や心理的要因に関するものが大半であった。しかし,近年注目されているのが個人を取り巻く環境である。すなわち、人々の身体活動はどのような環境で高まるのか、という視点である。そこで本研究では、身体活動環境と学齢期にある児の体格および身体活動量との関係を明らかにすることを目的とした。 本研究では,小学生を対象に体格と身体活動量調査を行った。また,子どもたちの生活環境における身体活動環境の評価を行うために質問紙調査を行った。なお,この質問紙調査によって自宅近隣の環境について「近所の道路は安全である」「近所にはゴミがたくさんある」などの質問13項目から「安全性」「魅力的な景観」「治安」「不快な景観」の4因子を評価した。質問紙調査の実施にあたっては,小学6年生の児童も理解しやすく,また負担のかからないように設問は短く設定し,質問内容も最小限にした。 身体活動量についてみると,女児より男児の活動量が多かったが,いずれも1日平均12,000歩程度確保していることが確認された。また,歩数と肥満度との間に負の相関関係が確認された。近隣身体活動環境尺度得点と身体活動量との関係についてみると「魅力的な景観」と「歩数」との間に正の相関関係が確認された。 また,他地域において児の身体活動環境と生活習慣に関する調査を実施したが,「安全性」の尺度得点が低い群ほど,テレビをみたり,ゲームをする時間の長い傾向が観察された。近隣環境が安全ではないという認識が屋内での生活時間の増加につながると考えられる。また,テレビやゲーム時間の増加は,睡眠時間の減少につながっていた。このことから,近隣の身体活動環境は児の生活習慣に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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