2011 Fiscal Year Research-status Report
運動により変化するガングリオシド変換酵素種の同定とアルツハイマー病への応用
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23700829
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
林 祐一 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00392366)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 運動療法 / 認知症 / ガングリオシド変換酵素種 |
Research Abstract |
マウス専用トレッドミルによる運動を継続的に行い、海馬での週単位の経時的なSt8Sia1蛋白をはじめとする7種類のガングリオシド変換酵素種がどのように変化しているのかウエスタンブロット法により変化を検討する。また、同様の運動を1回だけ行うこと(単回運動)により、運動後のmRNAの変化を時間単位で変化を観察するとともに、2週間同様に運動することにより、mRNAがどのように変化しているかを確認した。 それらを行うことにより、運動療法を行った後に、ガングリオシド変換酵素種がどのように変化し、βアミロイドの凝集抑制に働いているのかについて明らかにする計画である。 9-10週齢の雄マウス(C57BL/6J, SLC, Hamamatsu) を無作為に20匹ずつ、(1)安静にさせる群(コントロール群)、(2)運動療法を行う群の2群に分ける。運動療法については、Kirkinezosらの方法(に準じ、マウス専用トレッドミル(MK 680S)で13m/分、日中の時間帯に30分、週5日間/週のメニューで行う。1,2,4週間行う。運動を行ったのち、24時間は安静にする。実験期間中は、自由飲水ならびに自由摂食とし、温度管理、照明については、実験動物室の管理に従う。運動後は、安静24時間後に十分な麻酔をしたのちに、マウスより両側海馬を摘出し、液体窒素により、瞬間凍結させ、以降は、-80度冷蔵庫で保存した。 運動によるSt8Sia1蛋白の抑制については、蛋白用試料サンプリングの方法に従い、海馬を採取したのち、ホモジェネートしたのち、Western blott法により、St8Sia1蛋白を検出する。β-actin蛋白を基準とした半定量を行い、1,2,4週後での経時的変化を確認した。有意差はないが、蛋白抑制傾向があり、免疫組織学的に染色性の低下を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的である、蛋白抑制の有無についてその傾向を確認したが、有意差がないため、染色性に着目し、結果をえている。またサンプリングを行い、多数例での検討や他のガングリオシド変換酵素種のmRNAの変動スクリーニングへ進んでいる。具体的には、我々は、トレッドミル運動機器で、成体マウスを30分間単回運動させたところ、海馬でもmRNAレベルでSt8Sia1が約60%程度まで抑制されていることが分かった。30分間の運動を2週間継続してみると、St8Sia1mRNAレベルは正常化していた。蛋白レベルでは、有意差はつかなかったが、St8Sia1が抑制される傾向にあった。そのため、2週間運動群と非運動群の海馬票紋を作成し、St8Sia1で染色したところ、海馬の染色性に変化がみられた。
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Strategy for Future Research Activity |
既に本年度でおこなった海馬のサンプリング検体を用いて、当初計画しているSt8Sia1の蛋白抑制ならびに他のガングリオシド変換酵素種のmRNAの変動、蛋白の変動を明らかにする方針。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主には、既にサンプリングした海馬のmRNAの変動をReal time PCR法を用いて検討する。その後、このスクリーニングで見込みのある(変動のある)ガングリオシド変換酵素種について、蛋白レベル、免疫組織化学レベルで解明する。
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