2012 Fiscal Year Annual Research Report
食事における自律神経および胃運動応答に関与する遺伝要因および環境要因の解明
Project/Area Number |
23700831
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松永 哲郎 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 技術補佐員 (10452286)
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Keywords | 自律神経 / 胃運動 / 胃電図 / 遺伝子多型 / 食習慣 |
Research Abstract |
1. 自律神経系は、生体の恒常性維持に重要な役割を有しており、その機能異常や応答低下は、各種代謝・循環器疾患のリスクとなりうる。中でも食事に対する応答は重要な生理応答の一つである。本研究では、食事摂取における自律神経および消化管運動の応答について、遺伝要因・環境要因との関連性を検討した。 2.若年健常者約120名(平均年齢:22.0±0.2歳)を対象に、食後の胃運動の変化と遺伝要因、環境要因との相関解析を実施した。胃運動は胃電図解析により評価した。胃電図は、胃運動に伴う電気活動(平滑筋筋電図)を経皮的に記録する方法である。6時間以上の絶食の後、空腹時15分間、白飯200g (300 kcal)摂取後20分間、胃電図の計測を行った。遺伝要因(遺伝子多型)として、グレリンLeu72Met(rs35683) 、グレリン受容体C171T(rs495225), G477A(rs572169) 、コレシストキニン受容体(CCK-1R)T984C(rs1800857) 、Gタンパク質β3サブユニット(GNB3)C825T(rs5443)などを対象とし、環境要因として、食習慣(半定量食物摂取頻度調査)や運動習慣、その他の生活習慣を調査し、基礎データ(年齢、BMI、血圧など)とともに相関を解析した。 3. 多変量解析の結果、食後の胃電図における指標(中心周波数または正常成分波比率)との関連において、グレリン Leu72Met多型、GNB3 C825T多型、体脂肪率、BMI、平均血圧との間に有意な相関が認められた。このことから、若年時においては、食後の胃運動に対して、体格や血圧、遺伝要因の影響が大きい可能性が示唆された。
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