2011 Fiscal Year Research-status Report
高血圧モデルにおける血管拡張性神経の伸長を介した降圧効果に関する研究
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23700833
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
座間味 義人 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70550250)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 高血圧 |
Research Abstract |
世界中では約10億人が生活習慣病の代表的疾患である高血圧を罹患しており、その約70%は降圧目標値に達していないと推定されている。本態性高血圧はその発症原因が不明であるため、対症療法として降圧剤が長期間にわたり使用されている。申請者らは血管拡張性神経の分布の減少が高血圧の原因になっていることを見出しており、この血管拡張性神経を再分布できれば既存の降圧剤のように一時的に血圧を下げるのではなく高血圧の根治治療につながると考えた。したがって、本研究では血管拡張性神経の分布が減少している高血圧ラットに対して神経成長因子を投与し高血圧が改善されるかどうかを検討し、高血圧の根治を目指す新規的な作用機序を有する高血圧治療薬を創製することを目的とする。平成23年度計画に則り神経伸長を指標としたin vitro評価系を用いて、高血圧自然発症ラットから単離した培養脊髄後根節神経細胞におけるNGFによるCGRP神経伸長作用を検討した。具体的には高血圧自然発症ラットから脊髄後根神経節を摘出しコラゲナーゼ処理し、脊髄後根節神経細胞を単離した。得られた細胞をNGF(100 ng/mL)添加10%DMEM培地において4日間培養した後抗CGRP抗体にてCGRP陽性神経を染色し神経線維の数をカウントした。しかしNGF処置によりCGRP陽性神経の有意な神経成長作用は確認されなかった。また脊髄後根節神経細胞におけるCGRP mRNAの発現量に関してもNGF添加による影響は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究協力者である大学院生が研究テーマ変更することになり本研究への協力が得らなくなった。そのことによりin vitro およびin vivo実験の進捗状況に遅れが出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
神経伸長を指標としたin vitro評価系を用いて、高血圧自然発症ラットから単離した培養脊髄後根節神経細胞においてはNGFによるCGRP神経伸長作用は確認されなかったので申請書の「計画通りに進まない時の対応」で記載したように他の高血圧モデルを使用して実験を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今回高血圧モデルとして用いたSHR/Izmではなくさらに病態がシビアな脳卒中易発性高血圧発症ラットSHRSP/Izmを購入して実験を行う。それ以外は平成23年度計画と同様に培養関係試薬および動物飼育用消耗品を購入する予定である。
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