2011 Fiscal Year Research-status Report
リポ蛋白リパーゼトランスジェニックウサギを用いたエネルギー代謝研究
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23700835
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
西田 裕一郎 佐賀大学, 医学部, 助教 (50530185)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 肥満 / エネルギー代謝 |
Research Abstract |
ウサギのエネルギー消費量を測定した先行研究はこれまでになかったので、我々は先ず二重標識水を使用してウサギのエネルギー消費量を精度よく測定する方法の開発に取り組んだ。ウサギへの二重標識水の注入後(0.92g/kg 体重)、ネコ(ウサギと体重が似ている)を用いた先行研究を参考に設定した8時点(3時間後、4時間後、4日後、7日後、8日後、10日後、 14日後、15日後)に、血液を採取した。最適な血液採取のタイミングについて検討した結果、二重標識水注入4時間後と7日後の2時点において血液採取を行うプロトコールを用いることで、ウサギのエネルギー消費量を効率的かつ正確に測定できることを見出した。この方法を用いて通常食給与下で26週齢の野生型ウサギのエネルギー消費量を測定した結果、平均で340.1 ± 9.3 kcal/日であり、体水分量は2.3 ± 0.1kg、体脂肪率は16.0 ± 1.4%であった。二重標識水を使用したエネルギー消費量測定法の確立と同時に、凍結精子を使用したリポ蛋白リパーゼトランスジェニック(LPL-Tg)ウサギの繁殖を進め、本研究に必要なLPL-Tgウサギ(雄)12羽を得た。そのうちLPL-Tg3羽と野生型3羽(計6羽)については16週間の高脂肪食給与を終了し、高脂肪食負荷後に耐糖能評価のために静注糖負荷試験を実施した。今後は、高脂肪食負荷後の解析として、二重標識水を用いたエネルギー消費量測定(上述の2時点血液サンプリング法を使用)とその後にエネルギー代謝関連の遺伝子の発現や蛋白量の測定のための血液・組織(筋、内臓・皮下脂肪、肝)採取を行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、二重標識水を使用したウサギのエネルギー消費量測定法の確立し、LPL-Tgウサギ(雄)12羽を繁殖し本研究に必要な数を確保した。23週齢に達した12羽(LPL-Tg6羽、野生型6羽)については、通常食給与下での摂食量測定と二重標識水を用いたエネルギー消費量測定のための血液採取を行った。また、高脂肪食給与(16週間)を終了したLPL-Tg3羽と野生型3羽を対象として、耐糖能評価のための静注糖負荷テストを実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、残りの14羽(LPL-Tg7羽、野生型7羽)の高脂肪食負荷後の糖負荷テスト、エネルギー消費量測定のための二重標識水注入と血液採取(二重標識水注入4時間後と7日後の2時点血液サンプリング法を使用)及びエネルギー代謝関連遺伝子の発現や蛋白量の測定のための血液・組織(筋、内臓・皮下脂肪、肝)採取を行い、それらの試料の分析を行う計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
以下の項目に次年度の研究費を使用する予定である。エネルギー消費量の測定のための血液サンプル中の二重標識水の分析、糖負荷テスト時に採取した血清のグルコース・インスリン分析、血液・組織(筋、内臓・皮下脂肪、肝)におけるエネルギー代謝関連の遺伝子・タンパク解析、および学会発表・論文の英文校正。
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