2013 Fiscal Year Research-status Report
思春期の骨量を増大させる具体的な生活習慣の解明:前向きコホート研究
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23700836
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
山北 満哉 山梨県立大学, 看護学部, 助教 (40582143)
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Keywords | 最大骨量 / 思春期 / 生活習慣 / 運動 / カルシウム摂取 / 睡眠 |
Research Abstract |
本研究は思春期の骨量増大に寄与する要因を明らかにすることを目的としている。平成25年度は、平成23年度、平成24年度と同様に小学4年生から中学3年生までの児童・生徒966名を対象に骨強度測定、および身体活動、カルシウム摂取、睡眠、骨折歴、(女子のみ初潮の有無)に関する自記式質問紙調査を実施した。また、各学校において、学校保健簿より身長、体重等の身体データを抽出した。 1週間当たりの運動時間を3分位に分け(低位群(=2時間未満,46名),中位群(=2-6時間,67名),高位群(=6時間以上,49名))、各群の1年間の骨量変化率の平均値を比較した。各群のStiffness値の変化率はそれぞれ3.9 ± 1.6 % (mean±SE)、5.9 ± 1.3 %、8.5 ± 1.6 %であり、各群間に有意な差は示されなかったものの、Stiffness値の変化率は運動時間の増加に伴って段階的に高値を示し、Stiffness値の変化率と運動時間の間に有意な正の用量反応関係が示された (トレンド検定,p=0.047)。小学4年生から6年生の女子における1年間の骨量変化は、運動時間の増加に伴って段階的に増大する傾向が示された。 また、3年間の蓄積データを用いて小学5年生における1日60分以上の運動実施日数について検討を行ったところ、男子で週に4-5日実施しているものは、0-1日、2-3日のものと比較して有意に高い骨量値を示した。6-7日実施しているものとの間に有意な差は示されなかった。女子では統計的に有意ではないものの、男子同様4-5日で高い骨量値が観察された。このことより、1日1時間以上の運動を週に4-5日程度実施することが小学生高学年の骨量増大に効果的である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、骨量測定及び質問紙調査は実施できているが、最終年度に予定していた各学校へ配布する冊子の作成について、信頼性のある結果を掲載するための論文公表が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
可及的速やかに得られた結果を論文として公表するとともに、その結果をまとめた冊子を作成し、各学校へ配布、児童生徒の生活習慣改善、保健指導に活用していただく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度までに得られた知見をまとめた冊子を作成し、各学校へ配布する予定であったが、より信頼性のある結果を掲載することが望ましいと判断し、論文投稿、受理後に冊子を作成することに計画を変更したため、未使用額が生じた。 上記のとおり、次年度、論文受理後に冊子作成を行うこととするため、未使用額はその費用に充当したい。
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Research Products
(4 results)