2014 Fiscal Year Annual Research Report
思春期の骨量を増大させる具体的な生活習慣の解明:前向きコホート研究
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23700836
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山北 満哉 北里大学, 一般教育部, 講師 (40582143)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 思春期 / 骨強度 / 運動 / カルシウム摂取 / 睡眠 / 生活習慣 |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期は生涯の骨の健康状態を左右する骨強度を獲得する時期であり、この時期の生活習慣は骨粗鬆症の予防に大きく影響する。本研究では、思春期の骨強度増大に寄与する具体的な生活習慣を解明することを目的として、小中学生の骨強度測定、及び生活習慣調査を実施した。 初年度に山梨県A市の小学4年生から中学3年生を対象にベースラインの骨強度測定、及び生活習慣調査を行った。2年目以降も同様の調査を実施し、生活習慣と骨強度との関連を横断的、及び縦断的に検討した。今年度は、本研究の成果をまとめたポスターを作成し、各小中学校への配布を行った。
横断的な検討においては、男女ともに、1週間当たりの運動時間が短くなると(7時間、4-6時間、2-3時間、1時間未満の比較)、骨強度も段階的に低くなる傾向が示された。男子では、1週間当たりの運動時間が1時間未満の児童生徒は、7時間以上の児童生徒と比較して、有意に低い骨強度を示した。カルシウム摂取量、睡眠時間については、有意な関連は示されなかったが、それらの生活習慣の組み合わせと骨強度との関連を検討したところ、不適切な生活習慣(1週間当たりの運動時間が7時間未満、1日のカルシウム摂取量が400mg未満、就寝時刻が10時30分以降)の個数が多いほど、骨強度は段階的に低くなる傾向が示された。 2年間の骨強度変化を観察した縦断的な検討においては、女子において、2年間を通して週に7時間以上の運動を実施していた者、2年後に7時間未満になった者、2年後に7時間以上になった者、2年間を通して7時間未満であった者の順に骨強度の増加率が段階的に小さくなることが示された。 今後、より妥当性の高い調査法に基づく更なる検証が必要であるが、本研究により、週に7時間以上(1日約60分以上)の運動を小学生から継続して実施することが最大骨量の増大に効果的である可能性が示唆された。
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Remarks |
研究成果を各小中学校の児童生徒に身近に知ってもらうため、骨量を増大させるための情報、及び本研究の成果をまとめたポスターを作成し、各学校に配布した。
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Research Products
(2 results)