2011 Fiscal Year Research-status Report
エストロゲン合成に係わる遺伝子多型と身体活動による動脈硬化抑制効果の関係
Project/Area Number |
23700841
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Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
林 貢一郎 國學院大學, 公私立大学の部局等, 准教授 (90433474)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / 身体活動 / 遺伝子多型 / エストロゲン |
Research Abstract |
本研究課題では,エストロゲン合成に係わるステロイド変換酵素群の遺伝子多型が動脈硬化指数および身体活動による動脈硬化抑制作用の個人差に及ぼす影響について検討することを目的としている。幅広い年代の女性を対象として,エストラジオール合成に係わるステロイド変換酵素群の遺伝子多型の分析を行い,身体活動量・体力(最大酸素摂取量)の増大による動脈硬化指数の抑制効果の個人差と候補遺伝子多型との関係を横断的に検討する。本研究課題は,すでに展開されているコホート研究の一部として実施され, 600名程度(閉経前および閉経後女性それぞれ300名程度)の動脈硬化指数を含む生理学指標や身体活動量・体力の測定および遺伝子多型解析に必要なDNAの抽出は終了していた。加えて,約200名分の生理学指標等のデータ取得と採血が終了していた。平成23年度には,この約200名分のDNA抽出や性ホルモン濃度の測定を行い,サンプル数を800名程度とした。これらのサンプルをすでに得られているものと合わせて全800名程度のDNAサンプルから,エストラジオール合成に係わるステロイド変換酵素群の遺伝子多型を解析する準備をおこなった。すなわち,種々のデータベースあるいは文献的情報より,候補となる遺伝子多型の選定とその解析方法の確認作業を行った。これらの作業により,1)CYP17A1 ,2)HSD3B,3)HSD17B1 ,4)CYP19A1 に関してそれぞれ数種類の候補遺伝子多型を決定することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の進行状況は,申請当初の計画よりも幾分遅れている。この理由は,遺伝子多型の解析に必要なプライマーの設定・作成に予想以上に時間が必要であったことによる(プライマーの設定は専門業者との共同で行っており,その進行に予想以上に時間が必要であった)。また,本研究課題実施に関して,施設面での支援を得ている共同研究先との時間的設定の問題が挙げられる。ただし,これらの問題点はおおむね解決されているため,平成24年度以内に研究目的を達成することは十分に可能であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は,決定された1)CYP17A1 (17alpha-hydroxylase, C17, 20 lyaseに関連する遺伝子),2)HSD3B(3beta-hydroxysteroid dehydrogenase: 3beta-HSDに関連する遺伝子),3)HSD17B1 (17beta -hydroxysteroid dehydrogenas: 17beta-HSDに関連する遺伝子),4)CYP19A1 (Aromataseに関連する遺伝子に関する遺伝子)の全遺伝子多型の解析を精力的に行う。これらのエストロゲン合成系の遺伝子多型と動脈硬化指数,高い身体活動量による抗動脈硬化作用の個人差,血中エストロゲンレベルとの関係について詳細に検討する。早期に解析を終了させ,平成24年度中には科学論文を投稿したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年においては,上記の今後の推進方策に示すように,遺伝子多型の判定・分析のためのプライマーや試薬の購入が研究費使用の中心となる。その他として,学会参加費用や人件費(分析のためのアルバイト費用)として研究費を使用する。
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Research Products
(4 results)