2012 Fiscal Year Annual Research Report
エストロゲン合成に係わる遺伝子多型と身体活動による動脈硬化抑制効果の関係
Project/Area Number |
23700841
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Research Institution | 國學院大學 |
Principal Investigator |
林 貢一郎 國學院大學, 公私立大学の部局等, 准教授 (90433474)
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Keywords | 動脈硬化 / 身体活動 / 遺伝子多型 / エストロゲン |
Research Abstract |
本研究課題では,エストロゲン合成に関与するステロイド変換酵素群の遺伝子多型の違いが,エストロゲン合成効率に影響し,動脈硬化指数やその身体活動増加に伴う改善度に違いを生じさせるとの仮説を検証することを目的とした。サンプル数は800名程度であった。平成24年度にはこのDNAサンプルから多型分析を行った。数種類の遺伝子多型と特に血圧や動脈硬化指数,糖代謝,血中脂質といったphenotypeとの関連性を確認した。さらに,各年代における最大酸素摂取量の中央値を基準にフィットネスレベルを2群に分け,有酸素性作業能力の高低による動脈硬化改善効果の差異についても検討した。今回はエストロゲン合成に関わるaromataseに関連する遺伝子(CYC19A1) の単一遺伝子多型についての結果を報告する。rs4646多型およびrs1062033多型に関しては,HDLコレステロール濃度と明らかに関連していた。rs10046多型に関しては,ヘモグロビンA1cと明らかな関連性が認められた。さらに,rs4646多型は,頸動脈ベータスティフネスと明らかな関連が認められ,aromatase に関連する遺伝子多型はHDLコレステロールといった冠危険因子やヘモグロビンA1cといった糖代謝指標の個人差に関与し,さらにそれらの危険因子が影響する頸動脈の動脈硬化指数にも多型の影響があることが確認された。有酸素性作業能力の高低による運動効果の違いに関しては,いずれの指標においても,有酸素性作業能力の違いと遺伝子多型の違いの間に明らかな交互作用は認められなかった。この点は仮説と異なる点であった。
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Research Products
(3 results)