2012 Fiscal Year Annual Research Report
運動によるインスリン感受性亢進における筋ーマクロファージ間コミュニケーション
Project/Area Number |
23700842
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
池田 真一 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (50534898)
|
Keywords | 運動 / 骨格筋 / マクロファージ |
Research Abstract |
運動は骨格筋のインスリン感受性を亢進することで、メタボリックシンドロームや2型糖尿病の予防・治療に有効であるが、その分子機序は明らかではない。申請者は、筋インスリン感受性が亢進する強度の一過性運動を施した筋では、M2マクロファージが集積しており、全身のマクロファージを枯渇させたマウスでは運動による筋インスリン感受性亢進が認められないことを見出している。そこで、本年度は、一過的走運動後に骨格筋内ならびに血中で増加するサイトカイン・ケモカインを網羅的に解析したところ, MCP-1, KCが筋並びに血中で運動直後に大幅に増加していることが明らかになり、また、血中IL-6濃度の大幅な増加、ならびにマクロファージ枯渇マウスではIL-6の増加が認められないことが明らかになった。そこで、MCP-1, KC, IL-6に対する中和抗体をマウスに投与し、その後インスリン感受性が亢進する強度の一過性走運動を施し、その24時間後に筋のインスリン刺激時の2-DG取り込みを測定したところ、コントロール群では運動後に認められるインスリン反応性の増加が、MCP-1, KC, IL-6中和抗体を投与したマウスでは認められなかった。このことから、運動後に分泌されるMCP-1, KC, IL-6が運動による筋インスリン感受性亢進にかかわっていることが明らかになった。また、IL-6は筋収縮により筋から分泌されるミオカインであると注目を集めているが、CL投与マウスでその増加が起こらなかったことから、収縮後のIL-6増加にもマクロファージが直接的もしくは間接的に関与していることが示された。
|