2011 Fiscal Year Research-status Report
運動と栄養成分摂取による性ステロイドホルモン増大が糖尿病に及ぼす影響
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23700849
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
佐藤 幸治 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, ポストドクトラルフェロー (20584022)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ジオスゲニン / 骨格筋 / 糖代謝 / 性ホルモン |
Research Abstract |
23年度は"一過性DHEA合成促進栄養成分(ジオスゲニン)摂取による血糖値改善の効果とその機序に関して検討した"【方法】8週齢のWistar ラットにストレプトゾトシン(STZ)を55mg/kg投与し、1型糖尿病モデルラットを作製した。5日間の安静期間を経て、一過性の実験においてはジオスゲニン(5mg/kg)を腹腔内投与し、投与直後より30分毎に150分後まで血糖値をモニターする。2日後に再びジオスゲニンを投与し血糖値が最も低下する時点で血液、骨格筋、肝臓等の組織を採取した。【対象】 正常群 (n=10) 1型糖尿病Control群 (n=10) 1型糖尿病ジオスゲニン摂取群 (n=10) 1型糖尿病ジオスゲニン摂取+DHT合成阻害剤 (n=10) 【測定項目】1.血糖値、体重 2.骨格筋内の性ステロイドホルモン合成酵素(17β-HSD、3β-HSD、P450arom、5α-reductase)3.骨格筋内の糖代謝調節経路(GLUT4、Akt、PKCなど)のタンパク発現 4.血中および骨格筋内の性ホルモン濃度(DHEA,、testosterone、 DHT)【結果】1型糖尿病モデルであるSTZらっとにおいて、一過性のジオスゲニン投与により、Control群に比べて、有意に高血糖が改善し、筋内の糖代謝調節経路(Akt-GLUT4)が活性化した。しかしながらアンドロゲン合成阻害剤投与により、血糖値の改善、糖代謝調節経路の活性が抑制された。これらのことから、血糖の改善のメカニズムは、ジオスゲニン投与により、筋内の性ステロイドホルモン増大により、骨格筋の糖代謝調節経路(Akt-GLUT4)が活性化され、血糖値が改善したと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究目的である、(1)DHEA合成促進栄養成分(ジオスゲニン)の急性摂取による1型糖尿病の性ステロイドホルモン濃度および血糖値改善への効果とその機序に関する検討において、現在その成果を海外の雑誌に投稿準備中である。今年度は予定通りに、運動とジオスゲニンの長期摂取による2型糖尿病の内因性DHEA合成促進とインスリン抵抗性改善に関する検討を行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はヒトへの応用にむけて、動物実験の最終段階である、ジオスゲニンの長期摂取を糖尿病モデルラットである、OLETFを用いて行っていく。来年度、今までの基礎実験の結果をもとに、肥満、2型糖尿病改善の研究を行っていくつもりである。1.運動とジオスゲニンの長期摂取による2型糖尿病の内因性DHEA合成促進とインスリン抵抗性改善に関する検討→平成24年度2.高血糖患者に対しての慢性ジオスゲニン投与がインスリン抵抗性に及ぼす効果の検討→平成25年度
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験動物(OLETFラット40匹)ジオスゲニン タンパク解析関連試薬 ELISA関連試薬成果発表(ACSM's 59th Annual Meeting, サンフランシスコ(アメリカ)6日間)に使用予定である。
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Research Products
(2 results)