2012 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子ChREBPを標的とした生活習慣病病態の解析
Project/Area Number |
23700850
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
崎山 晴彦 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (30508958)
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Keywords | 生活習慣病 / ChREBP / 転写因子 / 糖代謝 |
Research Abstract |
食生活の欧米化や運動不足といった生活環境に呼応し、肥満、高脂血症、糖尿病および高血圧といったメタボリックシンドロームを呈する人が増加している。肥満を中心としたメタボリックシンドロームの発症機序には転写因子を含む糖代謝、脂質代謝調節の異常が深く関与していることが知られている。現在のところ、転写因子の活性化をコントロールすることで、糖・脂質代謝を改善する薬剤の開発が求められており、進められている。これらの解糖系、脂肪酸合成系の調節酵素の遺伝子発現を促進する転写因子がCarbohydorate Response element Binding Protein (ChREBP)である。本研究の目的は、ChREBPの活性化機構を明らかにすることで、肥満予防のための医薬品や治療法の開発を目指すことにある。 ChREBPは従来より、血中のグルコース濃度に応じて核内へと移行し転写活性を示すことが知られている。その活性化機構にはリン酸化・脱リン酸化が関与しているがそれだけでは説明がつかないことが判明し、未だ不明な部分があった。そこで我々は活性化機構を再度検討した結果、14-3-3のChREBPのN末端部分への結合、および翻訳後修飾のひとつである糖鎖修飾(O-GlcNAc化)も転写活性に重要な役割を果たすことを見出し、報告した。 現在のところ、O-GlcNAcの修飾部位や詳細な糖鎖構造について解析を進めており、進行中の課題である。 さらに我々は、酸化ストレスと糖および脂質代謝との関係を検討した結果、細胞レベルにおいてであるが、酸化ストレスに応答しChREBPが転写活性を示すことを見出している。 今後は、この活性化機構の解明を目指し、酸化ストレス下におけるChREBPの役割を検討する予定である。
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Research Products
(4 results)