2012 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋萎縮メカニズム;ラット・マウス・メダカ骨格筋を比較して
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23700856
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
寺田 昌弘 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, その他部局等, 研究員 (10553422)
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Keywords | 骨格筋 / 萎縮 |
Research Abstract |
本年度は、筋萎縮モデルである後肢懸垂マウスを用いて実験を行った。2週間の後肢懸垂を行った群ならびに後肢懸垂後1週間回復させた群、そしてそれぞれの対照群から左右のヒラメ筋をサンプリングした。凍結横断切片を作成して免疫組織化学的染色を行うために、左脚側ヒラメ筋は液体窒素で冷却したイソペンタン中で瞬間凍結して、-80度で冷凍保存した。また、右脚側ヒラメ筋は遺伝子解析のため、液体窒素で瞬間凍結した。 凍結されたヒラメ筋から、ISOGEN試薬(Nippon Gene)を用いてRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ解析を実施した。得られたデータはGene Spring 11.1(Agilent)を用いて情報学的な解析を行った。 その結果、後肢懸垂した群では対照群に比べて2倍以上変化した遺伝子の数は、584個検出された。また、後肢懸垂後1週間回復した群で2倍以上変化した遺伝子の数は、339個であった。さらに後肢懸垂群と回復群で共通して2倍以上変化している遺伝子を検討したところ、63個の遺伝子が検出された。これら共通した遺伝子の中からいくつかをピックアップして、現在リアルタイムPCRを行って、遺伝子発現量を定量しているところである。 本年度の結果からは、後肢懸垂からの回復後、発現変化する遺伝子が判明した。これら遺伝子が筋萎縮回復時にどのような働きに関わっているかは、次年度に詳細に検討する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、後肢懸垂モデルの安定的な飼育の確立に時間を費やし、当初の計画よりやや進行が遅れている。しかし、すでにサンプルは採取し、解析にも着手できたので、当初設定した研究の目的に対して、大幅に遅れ研究に支障をきたすことはない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、本年度までに取得したデータをさらに詳細に解析する。DNAマイクロアレイ解析でピックアップした遺伝子について、リアルタイムPCRを実施し、遺伝子発現を定量的に評価する予定である。また、変化した遺伝子に対してIngenuity Pathways Analysis(IPA)を行い、どの機能に関係しているかを検討する。 また、ヒラメ筋の凍結切片を作成し、免疫組織化学的染色を行い、組織レベルの変化も検出する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
解析に必要な試薬・消耗品の購入を行う。また、本研究の最終報告として、解析結果の成果報告費(学会参加費・論文校正費・投稿費)にも支出する予定である。
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Research Products
(4 results)