2015 Fiscal Year Annual Research Report
環境配慮型ライフスタイルの双方向的影響:国際比較とペアデータ調査による検討
Project/Area Number |
23700859
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
安藤 香織 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (40324959)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 環境配慮行動 / 国際比較調査 / コミュニケーション / ペア・データ / 記述的規範 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度には、国際比較調査の結果を、他者の行動の認知である記述的規範の効果が国ごとに個人主義-集団主義の軸によって異なるかを分析した。集団主義傾向が強い個人にとっては、集団規範が行動に影響を及ぼしやすいと考えられる。記述的規範はその集団の規範を表すものであるため、集団主義傾向が強い個人にととっては、記述的規範の影響が強くなると予測できる。それぞれの国ごとに集団主義得点の高低で2群に分けて分析を行った結果、日本では集団主義得点高群の方が低群よりも記述的規範と節電行動の相関が強かった。中国、ドイツ、アメリカにおいても相関係数の差は有意ではなかったが、同様に集団主義得点高群の方が記述的規範と節電行動の相関が高い傾向が見られた。この結果を、アジア社会心理学会において発表した。 また、26年度に実施したペア・データ調査をAPIM(Actor Partner Interdependent Model)を用いて分析を行った。その結果、ペアの友人との会話が友人の環境配慮行動の実行度認知に影響を及ぼし、それが主観的規範を媒介して自身の環境配慮行動に影響を及ぼすプロセスが確認された。友人との会話は、直接にも自身の環境配慮行動に影響を及ぼしていた。また、実際の行動同士の関連は市民活動でのみ有意であった。よって、友人の行動は正確に把握しているわけではないため、認知された行動が影響を及ぼすこと、それには友人との会話が大きな役割を果たしていることなどが明らかになった。これらの成果をグループ・ダイナミクス学会で発表し、また論文として取りまとめて投稿した。 本年度が最終年度となるため、これまでの研究成果をまとめて報告書を作成した。
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