2012 Fiscal Year Research-status Report
戦時/戦後のマスメディアにみる「消費者としての女性」の主体化と共同性
Project/Area Number |
23700864
|
Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
村瀬 敬子 佛教大学, 社会学部, 准教授 (20312134)
|
Keywords | 消費者 / 女性 / マスメディア |
Research Abstract |
本研究は、マスメディアにおける「消費者としての女性」の表象を、「主体化」と「共同性」という観点から分析し、その戦時/戦後における連続性/非連続性を考察することを目的としている。 平成24年度は、前年度に収集した放送資料の分析を進めるとともに、戦後の放送関連の資料および女性雑誌関連の資料の収集を行った。特に放送については、具体的な番組資料がテキストとして残されていることから、NHK「きょうの料理」の番組テキストに焦点をあて、そこで日常食の作り手としての女性が、どのように表象されていったのかを分析した。その成果の一部をとりいれ、平成24年9月29日に財団法人味の素食の文化センターによる「食の文化フォーラム」(全体テーマ「料理すること─味わいの社会性」)にて「料理は「簡略化」しているのか」というテーマで発表を行った。 また、「消費者としての女性」にとって当事者性の強いメディアである女性雑誌の分析を行うこととし、戦前から1990年代までの「主婦」を読者として想定した女性雑誌についてその変遷をまとめた。「主婦」向け雑誌については、戦前および戦中期を対象とした先行研究を参照しつつ、戦後に「主婦」向け雑誌がどのように変遷していったのか、そこでの「消費者としての女性」の表象とはどのようなものだったのかを分析した。その際、特に読者共同体、「主婦」というアイデンティティ、オピニオン・リーダー等に着目した分析を行い、その成果の一部を用いた論文を現在まとめているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
子供が小さいため(現在1歳)、予定していた遠方への出張をひかえる等したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には、研究を推進していく際に、分析対象とするメディアとして、当初、予定していた新聞と放送に女性雑誌も加えた方が研究上、有意義であることがわかったため、平成25年度においても女性雑誌も加えたうえで研究を行うこととする。また資料収集にあたっても必ずしも年代で区切らず、その文脈によって必要な期間の収集を行う。今年度は平成23年度、24年度に収集しきれなかった資料を集めるとともに、それらの分析をすすめることとする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は研究関連の書籍購入のために物品費を用い、主に資料収集と学会参加のために旅費を使用する。その他の経費は主に資料のコピー代に用いる。 論文作成のための翻訳料の支払いが年度をまたいだが、そのための前年度の未使用金は平成25年度に支払われる予定である。また出張の予定がずれたことによっても未使用金が発生したが、これも平成25年度に行う予定である。
|