2011 Fiscal Year Research-status Report
「父親」をめぐる育児に関する意識の形成・変容に関する研究
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23700867
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Research Institution | Shikoku University Junior College |
Principal Investigator |
山瀬 範子 四国大学短期大学部, 幼児教育保育科, 助教 (00455057)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 父親 / 育児参加 / 育児行為 / 育児観 / 意識の変容 / 育児雑誌 / 育児書 |
Research Abstract |
本研究は、育児に関する価値意識を明らかにし、その形成・変容の過程の解明に挑むものである。その際、分析対象として、「父親の育児参加」を取り上げる。父親は、性別役割分業の下、育児に関する役割から免除されてきたが、近年、父親に対して育児参加が求められている。この役割内容の変容は、育児という行為に付与される価値、つまり育児観を見直す契機となりうる。父親の育児参加に関する研究においては、父親の育児行為=母親の育児行為とされ、育児に付与される価値や具体的内容が問い直されることがなかった。つまり、父親に求められた「労働に専従しつつ、育児にも関わる(=働く親)」という新しい形の役割の具体的内容は看過されているのだ。そこで、本研究は、不問に付されてきた父親の育児行為の内容・意味づけの分析を通して、(1)父親の育児行為の具体的内容と付与される価値意識を明らかにし、それに基づいて(2)育児観の形成・変容過程を明らかにしていくことを通して、育児に関する価値意識の構造、形成変容過程を明らかにすることを目的としている。 2年間の研究期間において(1)父親の育児行為の具体的内容とそこに付与される意味づけに関する実証的研究、および、(2)面接調査に基づく育児観の形成・変容過程に関する実証的な研究を予定しているが、平成23年度においては、主に(1)に焦点を当て、乳幼児の父母を対象に発行されている育児雑誌や「父親の育児」を取り扱った育児書の分析を中心に行ない、「父親の育児」に求められている育児行為やそこに付与される価値について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
育児雑誌・育児書の収集及び内容の分析を行うことができたが、並行して行うことを予定していた国会会議録の分析については進行が予定よりやや遅れているが、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度においては、国会会議録の分析を進めるとともに、面接調査を実施する予定である。また、研究成果をまとめ、学会、研究会等にて発表、論文執筆を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用については、下記の費目・内容を予定している。物品費;育児書・育児雑誌の収集、データ印刷のためのインクトナー、ファイル等旅費;資料収集、学会参加等その他;報告書の印刷等
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