2011 Fiscal Year Research-status Report
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23700873
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (50379525)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 省エネルギー / 温熱環境 / 住まい方 |
Research Abstract |
地球環境の悪化に対し早急な対応が求められている中、これまで多数提案されている環境に配慮した住まい方の多くは平均的な人を対象に提案されている。しかし、快適な温度には個人差は大きく、住まい方の実行の難易度は異なると考えられ、無理に推奨すると取り組む意欲を阻害する恐れがある。そこで、本研究では、これからの効果的で環境に配慮した住まい方を、快適性も保持しつつ、個人の特性を考慮し取り組みやすい住まい方を検討することを目的とする。本年度は、環境問題や省エネに関する意識や住まい方の実態を「アンケート調査」および「実態調査」により、問題点や改善点を検討した。更に、省エネを意識するとどれだけ住まい方が変化するかを検討する「実態調査」および「環境調節実態実験」を実施した。実態調査は男女大学生に、その他は女子大学生を対象とした。その結果、約8割が省エネを身近な問題として感じているとし、省エネに対するイメージは「できる範囲で取り組まなければならない」「積極的に取り組まなければならない」とする割合が高いが、同時に「難しそう」「面倒」などもあった。また、約6割が省エネを具体的には考えていないとし、具体的な提案の必要性が示された。また、省エネを意識したきっかけとして東日本大震災を2番目に多く挙げ、震災前後で約3割が省エネを重視するようになり、クーラーの設定温度も昨年度より高めになる人が多かった。実際の生活では、省エネを意識することにより、クーラーを使用する時間を短くするか、設定温度を高めにするなど、それぞれの特性に応じて省エネの方法が異なることが示された。クーラーと扇風機を使用した環境調節実態実験では省エネを意識した方がクーラーの設定温度を高めにし、扇風機を使用することで快適な空間とし、よりエネルギーを消費しない様な環境調節をした。また、男女で今後の取り組みやすい住まい方が異なることも示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りにアンケート調査および実態調査を実施し検討することができ、当初の目的をほぼ明らかにすることができた。更に、当初の予定では、最終年度に実施予定であった「環境調節実態実験」も実施することができ、同じ被験者を対象として多角的に検討することができ、成果をあげることができた。しかし、多様な被験者をする予定であったが、男女差の検討にとどまり、体質の違いによる検討まで実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、多様な調査および実験を実施することができ、多角的な検討をすることができ予定以上の成果をあげることができたが、多様な体質を持った被験者から協力を得る事ができなかったため、次年度に多様な被験者に依頼し、被験者数を増やし同様の調査および実験を実施することとしたため、次年度に研究費を繰り越しした。 今後は、当初から計画している実験に加え、本年度と同様の「実態調査」および「環境調節実態実験」を実施して、更に深い検討を行うこととする。その為に、多様な被験者から協力を得られる様にする。更に、同一被験者に対して多角的に検討ができる様に、その被験者の背景としての意識や住まい方の調査も実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初から計画している研究費は、予定していた実験に使用する測定器の購入や被験者代などに使用し、繰り越しした研究費は本年度と同様の実態調査および実験での被験者代として主に使用する。
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