2012 Fiscal Year Annual Research Report
塩の結晶粒径ならびににがり成分が食品の調理特性に及ぼす影響
Project/Area Number |
23700882
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
石川 匡子 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (80315598)
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Keywords | 調理と加工 / 塩の成分 |
Research Abstract |
漬物や焼き魚などの調理に用いた際、高純度塩(旧専売塩)よりも塩味がまろやかで美味しく感じるというという理由で、にがり成分を含んだ塩を愛用する消費者が増加している。これらにがり成分を含んだ塩は、高純度塩とは異なり、結晶粒径が大きく、製造方法により結晶形状が一定でないため、付着性や溶解速度が異なってくる。同じ添加法でも料理の味が異なる理由の一つとして、にがり成分を含んだ塩の無機イオン成分や粒径の相違が、食品表面上での溶解性や、内部への浸透性に影響を及ぼし、最終的に食品の味に影響するのではないかと考えられる。そこで、本研究では、同一粒径で無機イオン成分が異なる塩を用い、モデル食品や食品に振りかけることで、塩の溶解速度並びに食品成分にどのような影響を与えるか、また以前開発した、食品表面上での高純度塩の溶解速度を測定する新規評価法がにがり成分を用いた塩にも応用可能かを検討した。24年度は、塩化マグネシウムもしくは塩化カルシウムを添加、および塩化マグネシウムと塩化カルシウの両方を添加した疑似にがり塩を作製し、イオン種による効果の違いを検討した。その結果、にがり添加塩に含まれる添加量の範囲においては、無機イオンの違いによる差は少なく、少量であっても、対象とする食品サンプルの離水を促進させ食感にも影響を与えることが分かった。塩味についても食塩のみを用いた場合とは異なることが確認できた。また、食品表面上での塩の溶解性はLCRメーターを用いた新規評価法で測定可能であることを23年度に明らかにしたが、離水量が多く収縮しやすい食品に対しても、電極を改良することで浸透度合計測も適応可能になった。
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