2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700887
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
岩崎 裕子 日本女子大学, 家政学部, 助手 (60511194)
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Keywords | テクスチャー特性 / 官能評価 / 筋活動測定 / 混合系試料 / きざみ食 |
Research Abstract |
ゾル-ゲル混合状態の食物に関する力学的特性の的確な測定法を検討するため、23年度に引き続き、混合状態の試料について力学的特性と主観的特性および生理学的特性との関連性を検討した。 1. 固形物(ゲル)の硬さの相違が混合系試料の食べやすさに与える影響を検討するため、固形物として低温スチーム加工した4mm角の大根を用いた。硬さを3段階に変化させ、ゾルと重量比1:1で混合した試料について、力学的特性および官能評価(若年者・高齢者)を行った。結果、大根の硬さが高値な程、混合系試料の硬さは高値となり、付着性、凝集性は有意差が認められなかった。官能評価において、口中で感じるかたさは若年者と高齢者ともテクスチャー特性の硬さと同様の傾向を示したが、まとまりやすさおよび残留感については若年者と高齢者で異なる結果となった。高齢者は硬さが硬い試料ほどまとまりにくく、残留感が多いと評価しており、ゾルと混合する前の大根自体の硬さが混合系試料の食べやすさを改善するために重要であることが示された。 2. 前年度に引き続き、特性の異なるゲル化剤4種を用いゾルーゲル混合系モデル試料を調製し、力学的特性の測定と、官能評価に加え、咬筋筋活動測定について表面筋電図計を用いて行った。その結果、いずれのゲル試料においても、ゾルと混合することにより、ゲルのみ試料と比較し、飲み込むまでの時間、咬筋活動量、咀嚼回数が減少することが示された。 ゾルーゲル混合系のような不均質な試料は、混合割合やゲルの特性により、食べやすさに影響を与えるため、力学的特性の測定条件の一律化はきわめて難しいが、圧縮率や混合前の単体の力学的特性の測定などの工夫により、官能評価や筋活動との関連性の把握が可能となることが示された。
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