2011 Fiscal Year Research-status Report
男性更年期諸症状の予防改善食品開発を目指した新規天然アミノ酸の多面的作用機構解析
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23700896
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
柴田 公彦 福島工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10369928)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | NMDA |
Research Abstract |
近年の分離・分析技術の向上により、哺乳類を含む動物体内にN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)が存在していることが明らかとなってきた。しかしその機能や作用メカニズムについては不明な点が多く興味が持たれる。これまでの研究で、投与されたNMDAが精巣および血中テストステロン量を増加させることを観察している。本研究では1) その再現性を確認すること、2) NMDA量の違いがテストステロン量に及ぼす影響を明らかにすること、2) NMDAが取り込まれ蓄積する組織を確認すること、4) その組織に与える影響について明らかにすることを目的とした。 本研究の過程でより精度の高いNMDAの分析法の必要性が考えられたため、まず新たな分析法の確立を行った。LCMSを用いることで、以前に開発した分析法と同等の検出感度でより高精度にNMDAを分析可能となった。続いて、マウスにNMDAを投与する実験を試みたところ、一部の内分泌組織に著しく蓄積することが明らかとなった。その際、その他のN-メチルアミノ酸およびD-アスパラギン酸を含む一級アミノ酸の含有量に有意な変動は見られなかった。この検討によってテストステロン増加作用について再現性を確認することができた。また、高用量投与により死亡例が観察されたため、現在この点も含め作用メカニズムを解析している。また次年度は、NMDAの蓄積が確認されたその他の組織における検討も予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、本研究で使用を予定していた実験室および実験機器等が大きな被害を受けた。したがって年度当初、研究を開始するためにその修復や修理が必要であったこと、さらに震災後の混乱状態から正常な研究活動が行えるようになるまでには相当な時間を要したことなどが遅れの理由としてあげられる。しかし研究開始後については概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、投与された「N-メチル-D-アスパラギン酸」が特定の内分泌組織に著しく蓄積されることが明らかとなった。その組織から分泌されるホルモンが関与する病態を人為的に誘発させたモデル小動物を用いて、N-メチル-D-アスパラギン酸の有効性試験を行う。その際、詳細な生化学的測定を行なうことで、N-メチル-D-アスパラギン酸の作用メカニズムについても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
震災で研究開始が大きく遅れたことを理由に、予定していた回数の動物実験を行うことが困難であった。そのため、本年度は消耗品の購入に多くの予算を計上し、残りの本年度予算を次年度予算と合わせて使用することで、平成24年度により多くの動物実験を行う計画としている。
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