2011 Fiscal Year Research-status Report
「地鶏肉らしい歯ごたえ」の解明 -ISO食感評価規格によるプロファイリング-
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23700898
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
佐々木 啓介 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所畜産物研究領域, 主任研究員 (20343981)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | テクスチャー / 地鶏 / 歯ごたえ / 官能評価 |
Research Abstract |
本研究は「地鶏肉らしい食感」とはどのような食感であるか、ISO5492やISO11036に収載される食感表現用語を用いて記述的に解明することを目的としている。平成24年度はまず食感を評価するためのサンプル処理方法について、部位、カット、および加熱方法について検討を行った。官能評価においてはサンプル調製による実験条件の差が生じることがないよう、可能な限り均一なサンプルを用い、再現性の良い調理を実施することが求められる。そこで、鶏肉の部位として比較的大きな筋肉を有する「むね」および「もも」をサンプルとして用いることとした。このうち、特に「もも」は複数の筋肉から構成される部位であることから、より均一かつ多くのサンプルを得ることが可能なサンプル調製法を検討した。その結果、「もも」については大腿二頭筋を用いることが適当であり、これを85℃にセットしたスチームコンベクションオーブンを用い、内部温度が75℃になるまで「蒸し」調理を行うことで、再現性良く均一な調理済み鶏肉サンプルを得ることが出来た。また、調理済みサンプルの整形方法について検討した。いわゆる「地鶏」はブロイラーと比較して筋肉が小さいが、食感評価においてはある程度のサイズを確保する必要があるとともに、サンプルサイズによる評価への影響を避けるという観点からすべてのサンプルを同じサイズおよび形態とする必要がある。検討の結果、筋線維に垂直方向に「型抜き」を用いて円盤を調製後、これを半切して半円状とし、厚さを4mmに調製することですべての筋肉部位において同様のサイズおよび形態のサンプル調製が可能であることがわかった。これら確立された条件を用い、今後食感評価を実施していくことが適当と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は複数部位を用いた官能評価により「地鶏らしい食感」をあらわす評価用語の選択に着手する予定であったが、サンプル調製条件の検討にとどまり、評価用語選択の官能評価実施に至らなかった。しかし、評価用語選択の評価実験開始がほぼ可能な段階に至っている。このため達成度は「(3)やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に確立したサンプル調製条件を用い、ISO5492:2008で定義されている用語を用いた「地鶏らしい食感」を表す評価用語の選択を行う。具体的には、パネリストに対してISO5492:2008に関するトレーニングを実施し、それを踏まえ、ブロイラーおよび地鶏の浅胸筋および大腿二頭筋を「蒸し」調理して整形したサンプルを用いた官能評価に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は、交付申請時の計画通り使用する。なお、次年度使用額345,301円は、東京電力福島第一原子力発電所事故に関連して実施が求められた緊急的な研究課題に研究代表者が集中的に対応した結果、本課題の実施に遅れが生じたために発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
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Research Products
(3 results)