2012 Fiscal Year Annual Research Report
脂質代謝異常および動脈硬化病変に対する自発運動と食環境に関する研究
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23700899
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 奈穂 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (90510529)
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Keywords | 自発運動 / 運動療法 / メタボリックシンドローム / 食事療法 |
Research Abstract |
本研究では実験動物にストレスが少ないホイールケージを用いた自発的運動による運動療法と食品由来機能性成分を利用した食事療法の相加・相乗作用によるメタボリックシンドロームの効率的な予防・改善に関する研究の評価系構築を目指した。 6週齢雄ICRマウスを体重が等しくなるように、非運動群(Non-Aerobic群:;N群)とホイールケージでの自発運動を行う運動群(Aerobic群;A群)の2群に群分けし、脂肪含量45kcal%の高脂肪食を自由摂食で与えて12週間飼育した。飼育6週目までは各個体の1日あたりの回転数に1000回から13000回とばらつきがあったが、自発運動環境への順応が進むにつれ回転数の漸増および安定が認められ、飼育終了時には10754±1399回/日となった。飼育3週目までの摂食量はN群がA群と比較して有意に多かったが、自発運動環境への順応および運動量の漸増に伴ってA群の摂食量も増加し、飼育終了後の摂食量に差は見られなかった。一方、終体重、飼料効率、肝臓重量、内臓脂肪組織重量はA群で有意に低い値を示した。脂質合成系や糖代謝系に関わる血清インスリン濃度はN群と比較してA群で低い傾向(p=0.057)を示し、また各個体の回転数と高い相関を示した(r=-0.954)。内臓脂肪重量と高い正の相関を持つことで知られる血清レプチン濃度には群間で差は認められなかったが、回転数との高い相関が認められた(r=-0.978)。インスリン濃度と負の相関を示すことが知られる血清アディポネクチン濃度はN群と比較してA群で高い傾向(p=0.051)を示したものの、回転数との相関はなかった。血清脂質濃度についてはA群で低下傾向が認められたが、差はなかった。 本研究結果を踏まえて、脂質低下作用が報告されているある種の食品成分を添加した食餌を用いて、相加・相乗作用について研究を行う予定である。
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Research Products
(12 results)