• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

小児白血病患者の化学療法中に生じる味覚変化が栄養状態に及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 23700903
Research InstitutionNara Women's University

Principal Investigator

永井 亜矢子  奈良女子大学, 生活環境科学系, 助教 (90551309)

Keywords小児白血病 / 化学療法 / 味覚変化
Research Abstract

小児白血病患者において、化学療法中に発生する味覚変化の頻度や程度を明らかにするため、味覚検査を実施した。小児用味覚検査法として公的に認められているものは見当たらない。そのため、成人を対象として臨床で広く用いられている濾紙ディスク法(テーストディスク@(株)三和化学)を使用した。H23-25年度に耳鼻科系疾患を持たない健常者81名(男性39名、女性42名、8~19歳)の味覚検査を実施し、患児の味覚閾値と比較するのに用いた。前年度に引き続き、外来化学療法中あるいは化学療法終了後の小児白血病患者を対象に味覚閾値を測定し、味覚変化の自覚症状の有無等を調査し、対象を増やした。また、小児白血病以外の小児がん患者の味覚閾値についても調べ、小児白血病患者の味覚閾値と比較した。H23-25年度に味覚閾値を測定した全患児は、計73名(男性42名、女性31名、7~18歳)である。小児がん患者と健常者の味覚閾値を比較したところ、有意な差は認められなかった。また、小児白血病患者の味覚閾値は他の小児がん患者と比し、有意な差は認められなかった。群間比較では、小児がん患者と健常者の味覚閾値に差はなかったものの、味覚低下の認められた患児の中には自覚症状のない症例があった。また、治療終了後数ヵ月経過した患児においても味覚低下が認められた。これらの結果はH24年度までの結果と同様の傾向である。本研究は横断研究であり、味覚閾値の推移については検討できていないが、患児の自発的な報告によって、判明することの多い味覚低下を数値として示すことができた。味覚は健康な食生活において重要となるため、今後は治療終了直後からの味覚閾値の推移について検討する必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究では化学療法中の小児白血病患者で生じる味覚変化の発生頻度や程度を明らかにするため、味覚検査を実施する。平成23年度は入院患者での調査を進めていたが、数例実施した時点で対象集めに困難が生じ、外来患者での調査に変更した。そのため、計画がやや遅れたので、当初の予定を延長し、平成25年度もデータ収集期間とした。平成25年度に対象の唾液中ホルモンや過酸化脂質を測定する予定だったが、研究のためだけに別途で唾液サンプルをもらうのが難しく、測定が困難であったため、測定費用は論文投稿費用に充てることとした。
また、近年4基本味が正常であっても、うま味の味覚感受のみが低下し、それが原因で食欲不振となり、栄養状態悪化につながるとの報告があるが、うま味の味覚検査手技は確立途中でありデータが不足している。参考データとするために、平成25年度に女子大学生のうま味味覚閾値について測定を行った。

Strategy for Future Research Activity

延長していたデータ収集を終え、現在はデータ解析および論文投稿準備を進めている。次年度は最終年度であるため、これまでの研究成果を論文としてまとめ、海外ジャーナルへ投稿する。投稿先は小児腫瘍、支持療法および緩和ケアを専門としたジャーナルを予定している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年度に対象の唾液中ホルモンや過酸化脂質を測定する予定であったが、研究のためだけに別途でサンプルを入手するのが難しく、測定が困難であったため、予定していた測定費用を論文投稿費用に充てることとした。しかし、対象数を増やすために調査期間を延長せざるを得ず、論文投稿を次年度に持ち越すこととし、未使用額が生じた。
次年度は研究成果を論文にまとめ、海外ジャーナルへ投稿する。次年度の研究費は投稿に際し必要となる、論文校正費、印刷費および論文別刷りに使用する。投稿したジャーナルへ必ず掲載されるとは限らないため、投稿先としていくつかのジャーナルを考えている。投稿先を変更する場合は、その都度校正を繰り返す必要があると考えられる。
論文校正費:30千円、論文別刷り:10千円、印刷費280千円

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Normal taste acuity and preference in women adolescents with impaired 6-n-propylthiouracil sensitivity2014

    • Author(s)
      Ayako Nagai, Masaru Kubota, Midori Sakai, Yukie Higashiyama
    • Journal Title

      Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition

      Volume: 23 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 小学生における味覚閾値と疲労やストレスとの関連2013

    • Author(s)
      永井亜矢子、久保田優、東山幸恵
    • Journal Title

      日本栄養食糧学会誌

      Volume: 66 Pages: 249,254

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Assessment of taste acuity by a filter-paper disc method in survivors of childhood acute lymphoblastic leukemia2013

    • Author(s)
      Ayako Nagai、Masaru Kubota、Toshio Heike、Souichi Adachi、Ken-ichiro Watanabe、Midori Shima、Yasufumi Takeshita
    • Organizer
      35th ESPEN
    • Place of Presentation
      ライプチヒ国際会議場(ドイツ)
    • Year and Date
      20130831-20130903

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi